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それはデマ

じゅうばこさん

ぬいぐるみの件は、まあかなり事実とちがいます。よく行く雑貨屋に子ども用のクマのかたちの小さいリュックがあって、そのクマの顔がなかなか味があってかわいらしく、(変におもちゃ風の顔じゃなくて、リアルに動物の顔なのにやっぱりとてもかわいい)つい買ってしまいました。一応、ショルダーにも使えるとのことだったので。
あまりものは入らないので、ハンドバッグ代わりにしてました。

学長室でえらい人たちのおごそかな委員会があった時、バッグを入れかえてる時間もなくて、というかいつも持ってるから自分はもう違和感もなくなってて、そのままそれを持って行って、椅子の横にかけていたか置いていたかしていました。

あの頃は会議もものすごく長くかかることがあり(今は逆に会議が多すぎて、それぞれの会議はわりと短く切り上げるようになっている)、途中の休憩時間のとき、事務方の女性管理職の方が「先生、かわいいバッグですね」と声をかけてくれました。
大変有能な方でしたから、さりげなく「バッグ」と他の皆に教えて下さったのかもしれません。
現に私の同僚の超マジメな某先生は、その時「え、それバッグなの? ヌイグルミかと思ってた」と驚きました。私は思わず「あんたねえ、いくら私が変な人間でも、この場にわざわざクマのヌイグルミを何のために持ってくるというの」と問いつめました。彼はまじめな顔で「いや~、板坂さんならあると思った」と言いましたっけよ。

きっと他の先生も、ヌイグルミと思っても何も言えずにいたのでしょうね、気の毒に。

そう言えば今日は日曜というのに、入試関係の会議があり、三月末で退職というのに私もかり出されたのですが、微妙にうすら寒い天気ではあり、友人から退職祝いと言って送ってきた、江戸風の「め」組のはっぴを、前から持っていた、金属の鋲がいっぱいついた暴走族みたいなベルト(それにしてもいったい何で私は、こんなのを買っていたのだろう?)でしめて出かけたら、さすがに同僚や顔見知りの事務の人たちが「先生、それはどうしたんですか」と声をかけてきました。

学生にいたっては、もう授業で私がどんな服装をしようと驚かなくなっていて、人間のこういうことへの慣れの速さにはある意味、感動しますよ。

ところで大学の坂道の桜は、もう少しほころびかけています。今日は風が強いけれどよく晴れていて、春ももう間近という感じですね。

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カツジ猫