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だけど何だか不思議だね

うぐいすの寿命ってどのくらいなんだろう?

数年前、うちの近くで鳴いていたうぐいすの鳴き方がすごく上手で、「ホケキョウ!」と最後をしめる時の歯切れの良さなんか、もううっとりするぐらいで、近所の人とも「うまいですねえ」と言い合っていた。
去年は別のうぐいすなのか、それほどでもなかった気がする。そして今年もまた、盛んに鳴いている。一応うまいが、あの最初のうぐいすと思うと、ちょっとちがうような。

さっき買い物に行く車の中で安倍晋三が会見をして、外出をひかえろ、都市部から地方に行くなと言っていたが、見た人のほとんどすべてが、けっ、まず自分の妻に言えと、突っこんだんではあるまいか。
そして、公明党の要請で10万円配布が決まったとニュースはくり返していたが、そんなのずっと前から野党や市民が言い続けてきたことだろうが。何を与党におもねってるんだ。みっともない。

昨日、捨てられるところだった、母の外国のペンフレンドからもらった小さい絵本を紹介したが、かわいいので、またお見せする。私たしか一度これが日本語に翻訳されて出てるのを見て、買おうと思ってそのままにしてしまったのだが、今はもう出てないみたいだな。(以下の画像、クリックすると少し大きくなります。)

それにしたって、何だかふしぎ。実は「セックス・アンド・ザ・シティ」のDVDを見まくり過ぎたので、このごろはやはり手持ちの「プロジェクト・ランウェイ」を見てるんだが、これには英語の字幕がなくて、いまひとつお勉強ができない。
日本語版は3シーズンまでしか出てなくて、4シーズンが好評なので、いっそ英語版を買っちゃおうかと思い始めてた。そして、昔子どものころ、意味もわからないでかわいいネズミのドイツ語の絵本を何度も見ていたもどかしさのことを思い出し、あれよりは英語だからわかるんじゃないかとか考えていたところだった。

それと、仕事のかたわら、母への供養もかねて、好きだった三浦洸一の歌をずっと流して聞いてるのだが、彼はロシア民謡や日本の歌曲も歌ってて、その中に「黒い瞳」というのがある。
私はこの歌を、母が買って持っていた雑誌の付録の歌の本の中で見て、なぜか曲は知っていたけど、歌詞を五番まで覚えた。好きな歌だったのは、女性が「黒い瞳の若者」を「もろ手さしのべ腕にいだく」と言ってたからだと思う。そういうことを女が言う歌は、そのころ日本にはなかったから私は欲求不満だった。

しかも「緑の牧場でおどろうよ、私の愛する黒い瞳」と大胆で積極的で、最後は「わたしの秘め事とうさまに告げ口する人誰もいない」と来ちゃ、もう申し分なかった。どうせなら、そんな恋がしたかった。
どうってことない、ありきたりの挿絵も、だからよく覚えている。

三浦洸一の歌では、この最後の五番がない。そこがちょっとものたりなくて、一人でこっそり続けて口ずさんでは、あの勇敢な娘の気分を思い出していた。
何と、捨てられるはずの紙の中に、ネズミの絵本とまじって、その歌の本もあった。

とは言え、見るからに美しい、これを捨てる(しかも了承も得てない他人のものを)なんて感覚がどうかしてるんじゃないかと思ってしまうネズミの絵本とはちがって、これは本の断片の破られた一部が、古い雑誌のカバーにはさまれているだけで、勘のいい人ならもちろん何かいわくありげと思うだろうが、そうでなければ捨てられてしまうのも無理がないようなものではある。

でもさ、どっちも腹立つんだよね実は、こういうことって。「こんなに見て明らかに価値がありそうなものを捨てるか普通」という怒りと、「こんなに見て大して価値がないようなものでも、実は大変な価値があるものを、見てわからんのは当然だが、だからそういう自分のわかるわけないことに手を出すなよもう」という怒りと、どっちが強いかと言うと、むしろ後者の方かもしれん(笑)。

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カツジ猫