つらいニュース。
◇札幌の共同住宅で火事があり、高齢者が多い入居者の方々11人が亡くなったというニュースは、私と同年齢ぐらいの方も亡くなられていて、何かもうひとごととは思えない。窓に格子がはまっていて、なかなか出られなかったというのも、田舎の母の家の窓に私が防犯用の格子をいっぱい取りつけて、母が「監獄じゃあるまいし」と言っていたのを思い出す。
もう、何をかけてもいいけど、絶対にこの前のお正月に、ここの人たちは、鏡餅とかつつましく飾った前で、皆で「こうやって住める家があるのは幸せですねえ」「その上に、こういういいお仲間がいるのは本当に幸せですねえ」と、笑って言いあったにちがいない。もちろん本心から、そして少しは自分に言い聞かせるように。
私の祖母や母もそうだったが、どんな環境でも生活でも、決して不満を持たないで、満足して感謝している人たちだったろう。そして実際、そんなに悪い暮らしではなかったはずだ。そんなことをあれこれ考えると、気が沈む。
◇この前、ワールドギフトに送るのにサイズが大きすぎて切り詰めた小包は、今朝念のために測り直してみたら、私が切り詰めた分を適当に折り曲げたところがふくらんで、そこだけまた1センチほどオーバーしていた。ええいとばかり、またべりべりとガムテープをはいで、折り曲げ直してちゃんとサイズ内におさめて、これでよしと思ったとたんに、ガムテープがおしまいになってたことに気がついた。
ここ十年あまりの片づけ騒動の中で、ビニール袋とガムテープは、それこそ小売店ができるほど買いこんで、家じゅうどこからでも出てきていたのだが、さすがに底をついてきていて、最後のガムテープを使い切ったばかりだった。
買いに行こうにも、宅急便の人が引き取りにくる時間帯に突入しているから家を出られない。
まだどっかにはあるのじゃないかと、引っかきまわしていたら、棚の奥からやっとひとつ、もうおしまいになりかけてるのが見つかった。よしよしと、絶対失敗できないから、慎重に慎重に箱を押さえて、きっちり封をした。さっき宅急便の人が来て、持って行ってくれた。今日はお天気だったから、戸外で荷造りのし直しができて助かったなあ。
息つく間もなく、次のダンボールを組み立てて、また荷物を積みこむぞ、と張りきったところで、ガムテープを買いにいかなきゃならないのを思い出す。わおーん。
◇で、一服してDVDを見ながら、お茶でも飲むことにする。今見ているDVDの、ナチスドイツに占領された英国という仮定の海外ドラマ「SSGB」は、もとのまんまのタイトルと言い、字幕だけで吹き替えがないのと言い、やる気ないな日本スタッフと言いたくなるが、作りは緻密で画面はきれいで役者は魅力的で、陰鬱で閉塞感満載で退廃的で、いろいろもう目と心の保養になる(笑)。主演の男優は甘い顔だが声が渋く、そのアンバランスも妙にはまらせる。
このドラマも「ハワイファイブオー」も原爆が題材になっていて、こんな危険なエネルギー、兵器も発電も、いっさいやめるしかないだろと、あらためて思う。
◇その「ハワイファイブオー」は、ダニーの娘のグレイスちゃんが、すっかり成長してそりゃもうきれいな女性になってる。かわりにチンのところに姪のサラが住むようになりそうだ。このドラマは歴代の悪役がウォーファットといいガブリエルといい、とんでもないほどの美男子を使っては次々殺す、けっこうな趣味があるが、サラちゃんは、そのガブリエルの娘である。
私は珍しいことに、って結局ドラマの作り方がうまいのか、「ハワイファイブオー」のメンバーは皆わりと好きなので、文句はないけど、「キャッスル」でもそうだが、昨今の海外ドラマって、父親と幼い娘のカップルをやたら作りたがるよなあ。以前、アメリカの女探偵が、サラ・パレツキーにしても、スー・グラフトンにしても、ばりばりタフな女探偵が必ず高齢の男性を心の友にしてたのも、何でこんな設定ばかりなんだろと思ってて、この幼女趣味とじいさん趣味は、どっちも私はあんまり好みじゃない。いや単につりあいをとるために、少しは美少年の幼児だの、タフな男性探偵が心の支えにするばあさんだのを登場させてくれたら、別に不満はないのかもしれないけどさ。