とばっちり。
◇この前歌舞伎に着て行った、叔母の遺した毛皮の半コート、もう何度かは冬の間に着るだろうと、廊下にかけているのだが、どうってことないデザインで色だが、さすがによっぽど品がいいのか、見ていてとても美しい。朝、目を覚ましてベッドの中から見あげると、窓の外の海とか花園でも見るように、幸せな気分になれる。
そうやってうつらうつら寝坊してたら、昼近くに電話があった。最近、この時間帯のセールス電話がやたら多いので、てっきりまたかと思って思いきり不景気な小声で応対したら、田舎の家の管理をまかせている不動産屋の友人で、しまったとあわてた。向こうもびっくりしたにちがいない。水の出が悪いのでポンプを新しくする件で、もちろんすべて、まかせた。
友人ははんぱなく朝型のばりばり仕事人間だが、その彼女が「この寒さでは動く気にならず仕事が進まない」とぼやいていて、そうか彼女でもそうなんだとちょっと安心した(笑)。
今日も晴れてるが、やたらと寒い。冷蔵庫の中にいるようだ。エアコン温度をけちって24度に設定していて、それでもこの家は密閉度が高いので、ふだんはそれで充分なのだが、さすがに今日は寒いので、2度上げた。エアコンから遠いキッチンのあたりだと、寒すぎて考えがまとまらない。紅茶もコーヒーも、すぐに冷めてしまう。
例年ここまで寒くなる時期には、ストーブを引っぱり出していたのだなあと思い出す。しかし今は荷物がいっぱいで、ストーブを置く場所がない。まあ我慢できないほどではないからいいか。
◇ゆうべパソコンで名護市長選の結果を確認したら、稲嶺さんが負けてたので、かっとなって怒りにまかせて料理に走り夜中過ぎまで、単純なのばかりだが、一気に五品作って冷蔵庫の中の食材をほぼ空にした。まるで映画「ミュンヘン」のアブナーみたいな勢いだった。料理ってたしかにストレス解消にはなる。
今は冷蔵庫にはタッパーにつめたおかずがぎっしり入っていて、ここ数日食べるものには困らなさそうだ。しかし、そんなことしていたら夜中を過ぎてしまい、上の家の猫たちにエサをやりに行きそこねた。まあドライフードはたっぷりやっているし、今から行ってもまた人なれしてない白黒猫のマキが、せっかくの寝床から外に飛び出しては気の毒だと、今朝一番で行ってやることにして、ゆうべの表敬訪問はさぼった。マキたちにしてみれば、とんだとばっちりである。
もっとも今朝行ってみたら、どうということもなく二匹とも元気にしていた。マキは、猫部屋の寝床を少しは使っているようで、何となく気が休まる。あとは早く居間を片づけて、灰色猫のグレイスが入れるようにしてやることだが、これはもう少しかかるだろう。
◇三島由紀夫の「永すぎた春」は、のほほんとしていて楽しく、あっという間に読んでしまった。陰の主役はあの宝部夫人にちがいない(笑)。熱海は一度泊って、好きな町なので、そこも楽しめた。調子にのって若尾文子主演の映画のDVDを検索したら、小谷野敦氏がけちょんけちょんにけなしていて、だからということではないが、つい注文してしまった(笑)。