ほらね。
◇一昨日だっけな、毎日新聞に載っていたけど、宗像市の沖ノ島を報道陣に公開して40名ほどが上陸したのだって。当然その中に女性はいないわけでしょう。こうやって「女人禁制」の場所をどう扱うか、きちんと話し合う前に、女性がいけない場所、できないことがあるのはしかたがない、という事実を、どんどん積み重ねて行くわけですね。
私がまだ宗像市が、どこの宣伝でも「女人禁制」を、おくびにも出さなかったころ、「この問題は大きいと思うのですが、どうするおつもりなのですか」と、市に尋ねたとき、担当の方は、「女人禁制と言いましても男性も限られた一人以外は行けない場所なんです」と説明されました。
それが理由になるとも思いませんが、少なくともこうやってどんどん男性には開放して行くわけでしょう。そこだけでもすでに最初の説明とまったくちがいます。まあそうなるとは思ってましたけど。ほらねやっぱりって心境ですけど。
この分では、ついでに予言しておきますと、観光地と称して、訪れた人を船着き場かどっかで、家族も団体も男女にわけて男性だけ島に連れて行く、女性は昔の女人堂みたいな海岸の施設でくつろがせて歓待して待っていさせる、地元の小中高の生徒を古代文化に親しませるとかいう名目で、男子生徒だけ島に連れて行く、そういうことをいずれし始めるんでしょう。目に見えるわ。そうなる前にボケるか死ぬかしときたいけど、きっと私がそうなる前に、こういうことは起こるんでしょうね。老後を過ごす場所をまちがえたわ、つくづく。
◇不毛な愚痴はともかくとして、そうやって女性差別の人権無視が、ここ宗像の地から、テレビの動物番組の日本犬の里じゃないけど「セカイにカクサーン」されるってわけよね。
私にできることは、まだ具体的には考えてないけど、せっかく古代神話にまつわる話だから、そういうことで考えるなら、ヨモツヒラサカで、追っかけて来て「おまえの世界の人間を一日1000人、こっちの死の国に引きずり込んだる」と言った女神イザナミに対し、「それなら私はこちらの世界で毎日1500人の子どもを産ませる」と言い返した夫イザナギの精神で立ち向かうまででしょうね。
私、何年か前に、田舎の母がだまされた悪徳業者と、いろんなことで対決の大立ち回りを(まあ私の気分としてはですが)やっていて、他にもまあいろんなものとけんかして、だいたい勝利はおさめていて、そうこうする内、第一次安倍内閣に対抗して九条の会を立ち上げるはめになって、そのころ周囲に「何ということだ、だんだん敵が大きくなる」とぼやいてたんですが、それから10年ばかりして、ついに神様を敵に回すか。まあ味方になってくれる神様もいるだろうし、だいたい宗像三女神はきっとわかってくれるだろうと私はどこかで確信しているのですが。
そういう点では私の人生も着実にステップアップしてるわけですね。一応喜んどくべきかしら。ちょっとヤケ入ってますけど。
◇昨日、どうしても見たくなって映画「コードネームはアンクル」見てきました。なかなか面白かったです。イリヤ・クリヤキンのアーミー・ハマーも悪くなかったけど、あの素朴な田舎青年みたいなスーパーマンやってたヘンリー・カビルが、一応ちゃんとナポレオン・ソロになっていたのに感心しました。ヒュー・グラントのあの登場は何ともうれしかったなあ。私の母はテレビドラマではウェーバリーのファンでした。
私はテレビドラマには、どっぷりはまっていましたが、あのシリーズの魅力は、ずんとバカバカしいノリなのに(あの時代だったから、あののんきさなんだろう、と思うかもしれない今の人に言っておきますが、あの時代だってあれは相当規格外のずっこけ方でしたってばさ)、主役二人がソロのロバート・ボーンも、イリヤのデヴィッド・マッカラムも、シリアスな作品でも十二分に通用する本格派の演技派俳優だったことだと思うのです。そんな俳優にとっては考えようでは屈辱的だったかもしれないぐらい、とっぱずしたあのドラマを、そんな変なプライドなんか何もない、だからこそ本格派の二人が堂々と全力で軽やかに演じてくれたからこそ、言いようのない品位と洒落っ気があふれたのですよ、あのシリーズには。
今どきの腐女子の方々が見ても目を回すような、妖しげな場面や設定が平気で充満しているのに、ちっとも隠微な感じもしない清潔な切れ味のよさも、きっとそこから生まれています。
ちなみに私はオタクの腐女子のボーイズラブのということばが生まれる前から、そういうものは好きでしたが(詳しくは旧サイトの「オタク研究会覚書」をごらん下さい)、そのわりに、あのテレビシリーズでの二人の仲の良さは多分あまりに快く見ていたせいか、あまり印象に残っておらず、どの回かでイリヤがガチョウかアヒルの鳴きまねをグワグワグワとして見せて、それだけはさすがの野沢さんも吹き替えないで、そこだけマッカラムの声のままだったとか、めちゃくちゃしょーもないことばかり覚えているのですけれどね。
今回の映画は、全体の雰囲気や作り方がものすごくテレビシリーズの精神や雰囲気をうけついでいて、まったく違和感がありませんでした。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ボーンとマッカラムを使って映画化した映画以上に違和感がありませんでした(笑)。
監督はジュード・ロウをワトソンにした「シャーロック・ホームズ」作った人ですよね。私はホームズも大好きなのですが、あの映画もいろいろ吹き出したけどまったくいやじゃなかった。原作を愛することが上手な人なんだなと感じ入ります。
ここだけの話、私はアーサー王物語も好きで、でもというか、だからというか、「キング・アーサー」の映画は全編むしずが走るほど大嫌いで、出ていた俳優さんたちまで、好きなはずなのに以後はまったく出演作を見られなくなったほどのトラウマがあります。あれだけ原作はどうでもよくて、ただ自分の好きなものを作るのに利用した監督とそれに協力した人たちを、私は一生受け入れられそうにない。それまでは好きだった俳優さんも多いのに、くやしいですが、しょうがない。
なので、今回はまったくほっとして満足しました。また見に行こうかな。
しかし、もとのテレビシリーズのファンの人も多いようだから(こちらのツイッターとか。これとか。腐女子の方らしいので、そういうのが苦手な方は