ぼくと、たいふう(カツジ猫)
みなさん、おはようございます
このまえ、ものすごく、あめがふって、かぜがふきました。
「たいふうと、いうのだよ」と、かいぬしが、おしえてくれました。
ひとばんじゅう、いえのまわりが、ごうごういって、
ときどき、なにか、こわれるようなおともして、
ぼくは、あさまでずっと、ねたりおきたりしていたけど、
かいぬしは、まどもあけたまま、ぐうぐう、ねていました。
あさになって、まどから、あめがふきこんで、
ゆかと、しきものが、ぬれているのをみて、
「そうじしてなかったから、ちょうどいい」といって、
ゆかを、ふいて、しきもののうえに、しんぶんしをしきました。
みずけを、すいとらせるのだそうです。
それは、うまくいったみたいだけど、
そのとき、つくえのそばの、いすを、どけたので、
ぼくは、ちゅうけいちてんがなくなって、
えさをもらったり、みずをのんだりする、つくえのうえに、
あがれなくなってしまいました。
かいぬしは、それにきがつかなくて、
ぼくが、ごはんのときに、だまって、つくえのまわりをあるいているのをみて、
「はっ、もしや」とかいって、いすをもどしてくれました。
そして、とびあがったぼくをみて、ふくざつなかおで、
「みけねこの、しなもんは、しぬちょっとまえで、よろよろしてたときでも、
このくらいのたかさ、とびあがってなかったっけ。
おまえ、ほんとうに、あしこしが、よわいねえ。
じゃんぐるなら、ぜったい、なにかに、たべられているよね」
と、いいました。
じゃんぐるになんか、いかないから、べつに、いいもん。
そのひも、いちにち、すごいかぜが、ふいていました。
あめはやんでいたけど、ぼくは、にわにでるのが、こわくて、
ずっと、いえのなかにいました。
といれをするとき、でていくのに、でいりぐちで、
ずっと、からだをはんぶんだして、そとのようすをみているので、
かいぬしは、「だいじょうぶだって。でも、ああ、そうか、
おまえ、すかすかだから、とっぷうで、とばされるかもね」と、
むせきにんなことを、いっていました。
よるには、かぜがやんで、しずかになったので、
ぼくは、あんしんして、しんだように、ねました。
きのうのあさ、はやく、にわにでたら、
いつもくる、しろくろねこが、
かなあみのうえに、のぼっていました。
もうれつに、はらがたったので、
ぼくは、かなあみのとちゅうまでのぼって、
おおごえで、こうぎしました。
しろくろねこは、しばらくして、やねのほうに、にげていきました。
かいぬしは、なにもしらないで、ねてたみたいで、
あとで、おとなりの、ごしゅじんに、
「かつじくんは、けさ、よそのねこに、えらい、はらかきよったですね」と、
わらいながら、おしえてもらって、
「えっ」と、おどろいていました。
「あんなに、はらかくこともあるんやなあとおもって」と、
ごしゅじんは、かんしんしていました。
ぼくは、いつもは、だまってすわっているので、
あたらしい、いちめんを、はっけんしたみたいなかんじです。
あの、しろくろねこのたいどは、めにあまるので、
なんとか、こらしめたいです。
かいぬしは、「でも、そとにでて、ちょくせつたいけつしたら、
ぜったい、おまえが、まけるもんねえ」
と、わらっています。
あいつ、めすなのかな。
それも、きになるんだけど。