ぼくと、つめとぎ(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
だいぶまえ、かいぬしが、ぼくに、あたらしいつめとぎを、だしてくれました。
この、まるい、つめとぎは、ぼくの、おきにいりなので、
かいぬしは、きんじょの「なふこ」でみつけたときには、
いくつか、かいだめしてるみたいです。
またたびのこなが、おまけについているので、
かいぬしは、あたらしいつめとぎにかえるとき、
それを、さいしょに、ふりかけてくれます。
ぼくは、つめをとぐまえに、
そのうえに、ころころころがって、あそびます。
さいきん、かいぬしは、ぼくのつめとぎを、
ろうかにもってきて、おきました。
そこは、よく、ひがあたるし、かぜもとおるので、
ぼくは、つめとぎのうえで、ねるようになりました。
かいぬしは、ぼくのために、いすや、べっどに、
もうふや、たおるをおいてくれていて、
おきゃくさんがきたら、いそいで、それをはずして、
「どうぞ」といって、すわらせています。
「こうしないと、みんなの、よそいきに、
おまえの、けが、ついちゃうからね」といっています。
にんげんの、めというのは、おかしなもので、
ぼくが、つめとぎのうえに、ねていても、
かいぬしは、いつもの、いすや、べっどのうえだけみて、
ぼくがいるのに、きがつかず、
「いったい、どこにいったの。なぞだわ」といって、
にわにでたり、せんめんじょをのぞいたりして、
ぼくをさがしています。
そして、つめとぎのうえでねている、ぼくをみて、
「あっ」といって、おどろいて、
「もうてんって、ほんとにあるんだわ」と、
かんしんしています。
このごろ、ぼくは、せんめんだいに、のぼって、
じゃぐちのみずを、のむのが、すきです。
まえも、すきだったけど、しばらく、わすれていました。
「さいきん、それが、おまえの『まいぶーむ』かい」
といいながら、かいぬしは、
ぼくが、のみやすいように、ほそく、みずをだしてくれます。
ぼくが、ときどき、せんめんだいに、ひとりであがって、
じゃぐちを、なめていると、
「ざんねんながら、おまえがそこにのぼっただけでは、
みずは、でないんだよ、かつじ」といって、
せんめんじょに、きてくれます。
ぼくが、すきなだけ、みずをのんだあと、
とびおりて、へやにもどると、
かいぬしは、「もういいの」といって、
じゃぐちを、しめにいきます。
「うっかり、わすれて、みずをだしっぱなしにしそうで、こわいよ。
あたまの、たいそうには、なるけどね」と、
かいぬしは、なげいています。
ぼくは、こうして、かいぬしの、ぼけぼうしに、
ひとやく、かっていると、おもいます。