黒い口紅。
◇いや、塗りませんでしたよ(笑)。
今日は、大学で名誉教授の定例総会がありました。出たことなかったんですが、今年はその後に50周年の記念式典があるというので、まあ行ってみるかと思って出かけました。せっかくのハロウィンだし、うんと無気味なコサージュを作ってもらって、口紅も黒をつけて行って、皆を恐がらせてやろうかと思ったのですが、コサージュが思ったより似合ってしまって、誰も恐がりませんでした。やっぱり黒い口紅を塗るべきだったかしら(笑)。
それで思い出したけど、まだ現職のとき、入試の監督の服装にやたらチェックが入るようになったという噂を聞いて、おーそうか、やれるもんならやってみろと、ピンクと青の派手派手なベストで、下半分ははさみでじょきじょき穴をあけたみたいなやつを着て行ってみたけど、ふだんから私のかっこうはたいがいぶっ飛んでるので、だーれも気にもせず、我ながら失敗だと思ったことがあったっけ。
そして、コサージュを作ったお店の人が、写真をとってくれたのですが、そこのスタッフの一人が写真を見て、「板坂先生、カツジ君に似てますね」と言ったそうで、そっちの方がショックだわ。まあ色合いだけなら、たしかに最近、私とカツジは同じなんだけど。
◇この前の夜、いきなりしあがった仕事というのは、来年前期の授業のテキスト「ぬれぎぬと文学」のことです。書店に出版してくれと売り込んでもいいのですが、それだと、どう努力してもらっても一冊千円以上にはなるので、学生にワンコイン500円で買ってもらうには、コードもつけずに自費出版にした方がいいとわかって、しばらく、このやり方で本を作って行こうと考えています。
もともと、新書か何かで出すことも考えていて、量の調整のために、「情けあるおのこ」の原稿もくっつけていたのですが、その分ごちゃごちゃしてしまっていました。テキストにするには、コンパクトにしないといけないので、「ぬれぎぬ」にしぼって、「情けあるおのこ」の部分を削ったら、すっきりしました。予算的にも何とか行けそうなので、今夜、最終チェックをした原稿を書店に送る予定です。わ、急がないと。
これは、「金時計文庫」シリーズのひとつなのですが、前の「あらあら江戸文学史」のときには、どこかにしまい忘れて使えなかった金時計が、先日がらくたの中からひょろっと出てきたので、今度はその写真も裏表紙に使うつもりです。
◇庭や家のあちこちに、放りっぱなしでおいていたシクラメンの鉢が、なぜかいっせいに、つぼみをつけ始めました。もうずっと葉っぱしか見てなかったので、つぼみの色を見ては、おお、あなたはそんな色だったのかと驚いたりしています。
◇国連で核禁止条約交渉への決議が決まり、賛成した国々の名を見るにつけ、ああ世界は大国や強国の思いのままにならない、よい方向に動いていると、限りなく力づけられるんですが、てめえは核を持ってもないくせに、核保有国と同様、反対に回ってる日本の情けなさと言ったらもう。
そして、岸田外相は国会答弁で「北朝鮮は決議に賛成し、核兵器国は一国たりとも賛成しなかった」(毎日新聞29日)と言うんだけど、あのさ、それって、あらゆる角度から見て、説明にも弁明にもなってないぞ。そもそも、ここで「たり」って何だよ、「たり」ってさ。風見鶏と日和見と主体性のなさをありありと暴露しながら、「たり」とか強調してる場合じゃないだろうが、もうどう考えても。