ぼくと、ぬいぐるみ(カツジ猫)
みなさん、こんにちわ
かいぬしは、ぼくがしんだあと、にわにうめて、おはかをつくってくれました。
そのときに、ぼくがつけていた、けっこう、じょうとうのくびわを、
はずそうかどうか、ちょっとまよって、けっきょく、
「まあ、ほかのねこたちも、みんな、はずしてやったしな」といって、
はずしてくれました。
きんぞくの、まいごふだなんかも、ついてるやつです。
それが、ごはんをたべるとき、しょっきにぶつかって、かちゃかちゃなるのを、
かいぬしは、とおくできいて「お、たべてるな」といったりしました。
かいぬしは、しばらく、ぼくのくびわを、つくえのうえにおいていたけど、
そのうちに、たなのうえの、ぬいぐるみに、つけました。
こいつは、かいぬしが、とくにりゆうもなく、きにいったのでもなく、
はずみで、ぼやっとしょうどうがいしたらしくて、
きかいがあれば、だれかにあげようかぐらいに、おもっていたようです。

「ぶさかわぶっこ」というしょうひんめいで、
きじねこは「ぶんた」というなまえのようです。
あまり、かわいいかおではなくて、そこがかいぬしのきにいったのだとおもいます。
「わたしはほんとうは、ひしゃげた、きずだらけの、かおがよこにはった、
めつきのわるい、でかい、ふてぶてしいおすねこが、すきだったのに、
なぜか、かうねこは、みな、びけいばかりで、
そこはちょっと、ものたりなかった」と、よくいっていました。
ちょうど、ぼくのくびわが、そのぶさいくなぬいぐるみにあったので、
かいぬしは、「よしよし」といって、それをぼくのくびわの、
おきばしょにきめたようでした。
でもそのうちに、そいつを、まくらもとにおいて、
ねるときに、ぼくにしていたように、ちょっとなでたり、だいたり、
はなしかけたりするようになりました。
「おまえなら、りょこうにもつれていけるね。
そのうち、おんせんりょこうにいくとき、
すーつけーすにいれていこうかな。
いっしょに、たびをしよう」とかいっています。
かいぬしは、ときどきぼくに、るすばんをさせて、
ちかくのおんせんに、りょこうにいっていました。
ぼくも、しんだから、いまなら、いっしょにいけるとおもって、
だいせんぱいの、きゃらめるさんと、くろねこのあにゃんさんに、
「いっしょにいこうよ」とさそったら、にひきは、
「もう、なんべんもいったからなあ」と、
めんどうくさそうでした。
「でもまあ、おまえが、としとってからは、かいぬしは、
ここさいきん、ずっとりょこうにいってないから、
ひさしぶりにいいかもな。
でも、あのおんせんは、ねこのおおいところで、
ひとのめにはみえないが、しんだやつも、けっこううろうろしていて、
にぎやかすぎるのが、たまにきずなんだが。
まあいいか。それぞれのかいぬしに、ついてきてるやつもおおいから、
けっこう、がいこくの、おもしろいはなしも、きけるかもしれん」
と、きゃらめるさんは、すこし、のりきになったようでした。
かいぬしは、いつ、でかけるきになるのかな。
ちょっと、わくわくしています。
