ぼくの、きしどうせいしん(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
にわでは、ひがんばなが、まんかいになりました。
きのうから、あめがふって、
にわのはなや、きのはが、ぬれているので、
ぼくは、はっぱのつゆをなめて、あそんでいます。
ひがんばなも、なめていたら、かいぬしが、
「なんか、それは、からだによくないきがするから、やめなさい」
と、いって、とめました。
かいぬしは、ぼくと、ひがんばなの、つーしょっとを、とろうとして、
あめのなかを、にわにでて、かめらをもって、
「おいでー、かつじー」と、はなのところから、よぶけれど、
ぼくがなかなか、いかないので、
けっきょく、ぼくの、あしとしっぽしか、とれなくて、
ひがんばなも、てまえすぎて、ぼやけたので、
かいぬしは「うーん」と、ざんねんがっています。
ぼくは、ふゆげになってきて、
むねのところが、えりまきのように、ふかふかしてきました。
「おまえ、なんだか、かっこういいやん。
しろっぽくなったからか、ぎんいろがかってきて、
どこかの、おうじさまみたいだよ」と、
かいぬしは、ぼくをうっとりみつめています。
ぼくも、はりきって、べっどのうえで、
あしをひろげて、おなかや、おしりや、せなかを、
せっせとなめて、おけしょうしました。
「がんばるねえ。おめめのふちも、よごれているから、
かおをあらうのを、わすれちゃだめだよ」
と、かいぬしは、べっどのうえで、ほんをよみながら、
ぼくをみて、ちゅういしました。
ぼくはこのごろ、よるになると、
かいぬしの、くびにくっついて、ねるようになりました。
ぼくは、じぶんのからだは、なめるけど、
かいぬしや、にんげんは、なめないので、
「あの、ざらざらのしたの、かんしょくを、
もう、わすれてしまいそうだよ」と、
かいぬしは、なげいています。
「ちゃんと、なめてくれるねこがいたら、
あたらしく、かってしまいそう」というので、
ぼくは、ひさしぶりに、かいぬしのてに、かみつきました。
「なんなんだろう。おまえ、ひょっとして、
さいしょのかいぬしに、『ぼくは、しょうがい、あなたいがいのひとはなめません。
ぼくのしたは、えいえんに、あなただけのものです』とか、
ちかいをたてているんじゃないだろうね。
そんな、きしどうせいしんは、さいきん、はやらないんだよ」と、
かいぬしは、ぼくを、ゆうわくしています。