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ぼくの、たのしみなこと(カツジ猫)

みなさん、こんばんわ

けさ、おばあさんねこの、ぐれいすさんが、しんだので、
かいぬしは、おはかをほって、うめたりして、
いちにち、いそがしかったみたいです。

「ゆうべの、よなかすぎまでは、
べっどをおりて、わたしのそばにきて、
じゅうたんのうえで、ねていたりして、
ちゃんと、あるいていたのにねえ。
あさ、いってみたら、べっどのうえで、
ながくなって、いきをしていなかった。
えあこんと、ほっかいろで、あたたまっていたからか、
うめるときまで、つめたくなくて、
まだいきてるんじゃないかと、しんぱいだったよ」
と、かいぬしは、いっていました。

かいぬしは、ねこがしんだら、うめるまえに、
はさみで、けを、すこしきって、とっておくのだけど、
しばらく、しんだねこがいなかったので、
うっかりわすれて、うめてしまって、
「しまった。もう、はかをほりおこすわけにはいかないし」
と、ざんねんがっていましたが、
ぐれいすさんの、べっどのうえの、しきふに、
なんぼんか、けがついていたので、
ひろって、ふうとうにいれたそうです。
「かんしきかの、けいじになったきがした」と、
いっていました。

そのあと、ぐれいすさんが、いつもひなたぼっこをしていた、
まどのそばの、しーつに、
たくさん、けがついているのをみつけたので、
けをとる、ぶらしで、ていねいにとって、
それも、ふうとうに、いれたそうです。

きょうは、いいてんきで、かいぬしは、
「あいつも、ついてるよね。
おはかも、ほりやすかったし」といっていました。
「にじゅうねん、いきたのだから、りっぱなものよ。
あいつが、うちにきたとき、まだ、ははも、おばも、
げんきで、いきていたんだからね。
たいしたものだよ」と、かんしんしていました。

かいぬしが、ぐれいすさんと、はじめてあったのは、
「ろいやるほすと」という、
ふぁみりーれすとらんの、ちゅうしゃじょうで、
こねこの、ぐれいすさんを、ひろったのだそうです。
きゃらめるさんが、しんだ、すぐあとで、
「こえが、にているような、きがしたの。
それで、つい、ひろってしまった。
このごろ、ぐれいすは、わたしがそばにいると、
よく、ないたけど、
あれは、さいごに、きゃらめるににたこえを、
きかせてくれる、さーびすだったのかな。
びいい、みたいな、ちょっと、つぶれたこえでね。
もう、きけないけど、おぼえているからいい」
と、かいぬしは、ぼくに、はなしました。

かいぬしは、ぐれいすさんとはじめてあった、
「ろいやるほすと」で、こんやは、ゆうしょくをして、
さっき、かえってきました。
「おきゃくもすくなかったから、
あいつと、あった、むかしとおなじところに、
くるまをとめて、しばらく、あたりをみていたよ。
あのときも、よるだったしね。
なにかに、だれかに、というわけじゃないが、
なんとなく、ほうこくしたくなってね」と、
ぼくをなでながら、はなしてきかせました。

ぐれいすさんは、「ろしあんぶるー」に
まちがえられることもあった、
ぎんいろっぽい、はいいろのけで、
しんでからも、そのけなみは、きれいなままだったそうです。
「まえあしとか、うすく、おしろいをふったように、
ぎんいろがかっていたもんね」と、かいぬしは、いいました。

そして、ねている、ぼくをなでて、
ぼくがみあげたら、ぼくのかおをみながら、
「とうとう、おまえいっぴきになったね。
しかし、わたしもとしだから、
はかほりは、けっこう、こたえるよ。
おまえは、でかいから、あなをほるのも、たいへんだろうな。
せいぜい、からだをきたえておかなくちゃね」と、
ぼくを、なでまわしながら、おおきさを、はかっていました。

ぼくは、そんなさきのことは、どうでもよくて、
それよりも、ぐれいすさんが、いなくなったら、
これからは、うえのいえにも、
つれていってもらえるんじゃないかとおもうので、
ちょっと、たのしみにしています。

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カツジ猫