ぼくの、めぢから
ぼくのかいぬしは、ぼくのことを、ひとにはなすときに、
「かおは、わるくないのに、どうしてか、めが、いじけてるの」
と、いっています。
「おおきなめなのに、うわめづかいと、よこめづかいを、いっしょにするの。
それがもう、すごく、ふこうそうに、みえるの」
と、いいます。
ぼくが、そういうかおをしているときのしゃしんが、なかなかとれないと、なげいていましたが、
「これは、まあまあかな。じっさいは、もっと、いじけているんだけど」
と、いいながら、このしゃしんを、みていました。
「つよきなくせに、びびりだし、
かしこいようで、ばかだし、
そだちがよさそうで、いじけているし、
わたしがしんだら、だれにかってもらえるんだろう」
と、しんぱいそうに、つぶやいています。
こんなことを、かんがえてばかりの、かいぬしのほうが、
ぼくは、すこし、しんぱいです。