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ぼくの、わがよのはる(カツジ猫)

みなさん、こんにちわ

ものすごく、あつくなりました。
かいぬしは、あさ、たっきゅうびんを、はいたつにきたひととまで、
「あついですねえ。おしごとたいへんですねえ」
「つゆももう、あけるっちゃないですかね」
などと、はなしていました。
うけとったにもつは、なんか、ねこのほんらしいです。
「きふじんのねこ」という、ぶんこぼんで、
ひとにかしたままになってたけど、
そのなかの「ただではしなない」という、たんぺんが、
どうしても、よみたくなって、ふるほんで、ちゅうもんしたみたいです。

「わたしは、やすく、かったけど、
ほんやによっては、はっせんえんになっていた。
まともなよのなかとは、おもえないねえ」と、
かいぬしは、いいながら、
さっそく、べっどで、よんでいました。

あつくなったから、ぼくのけが、
ほんかくてきに、ぬけはじめました。
まいにち、かいぬしは、ぶらしをもって、
ぼくの、けをすこうと、ねらっています。
「あんまり、ちらかりはしないけど、
おまえが、なめて、たべてしまったら、いけないでしょ」と、
ぼくに、いいながら、けをすきます。

けをすくと、ぼくがおこるので、かいぬしは、ごきげんをとって、
このごろ、ぼくに、じょうとうの、かつぶしを、くれます。
すごく、おいしいので、ぼくは、ぜんぶたべるけど、
うまく、さらえなくて、すこし、おさらにのこします。
かいぬしは「もったいない」といって、
おとうふにのせて、じぶんがたべていたけど、
このごろ、「われながら、これでは、あまりに、なさけない」といって、
つぎに、おやつをくれるとき、のこりのかつぶしに、まぜて、
ぼくが、おさらを、きれいになめあげられるように、
くふうするようになりました。
これは、おいしいので、ぼくも、かんげいです。

きのうは、「あら」の、おさしみを、わけてくれました。
ぼくが、あったというまに、たべたので、かいぬしは、
「まさか。もうたべたの。どこかにおとしてないよね」
といって、あちこちをさがしていました。

ろくねんまえに、このいえに、ぼくがきた、ろくがつも、おわりました。
「また、あたらしい、いちねんにむけて、
すたーとをきるとするか」と、かいぬしは、ゆうべ、べっどのなかで、
あくびしながら、ぼくにいいました。

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カツジ猫