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ベルとサザエさん。

◇朝っぱらから見たくもない顔ですが、本当にこの稲田の会見はひどい。そして、あたりまえのことではあるけど、記者たちはとてもよく、食い下がっています。
こんな答弁をしているのは、みじめな姿に見えますが、都議選で徹底的に負けず、共謀罪や改憲での支配が成功したら、この中身と姿勢のまま、この人たちは、やりたいことをやるでしょうし、誰もとめられなくなるでしょう。

http://www.asahi.com/articles/ASK6Z4QVWK6ZUTFK00Y.html

https://www.youtube.com/watch?v=gpWFTJSNOl4&t=147s

◇「しんぶん赤旗」にのった「美女と野獣」の小説のオリジナル版についての記事ですが、すごく面白かったです。かいつまんで言うと、有名な原作者ボーモン夫人がダイジェストした、更に原作があって、それにはベルと野獣の関係がもっと詳しく掘り下げられているとか。そしてあの王子が奪われたのは美貌だけではなく、知性も発揮できないように呪われていたのだそうで、ベルの夢にはその美しさと才気をかねそなえた王子の姿があらわれ、別の人と思って野獣との愛の間でベルは葛藤するのだとか。これってすごいですよね。

http://blog.livedoor.jp/gataroclone/archives/50312670.html

つまり原・原作では、ベルは野獣の「醜い外見の中にある美しい内面を見て愛した」だけなんじゃなくて、その内面も隠されている聡明さは見えなかったのだから、内面ったって、ただひたすらその純粋な優しさだけで、それを最後は愛したことになる。
これって、ものすごくハードル高いですよ。特にベルは、周囲から浮くぐらい本好きで知的で聡明な女性なんですから。差別発言じゃないですけど、純朴な乳しぼりの無学な娘が、心のきれいな野獣を愛したのとはまるでちがう。
ベルは女性らしくないほど知的な人だけど、その人が最も魅力を感じない野卑で機知も才気も皆無な相手の、心の美しさを愛するに至るというのだから、これはベルの方の成長と覚醒の物語でもある。

文化的にも「しんぶん赤旗」、いい記事を書きますね。4コマ漫画「まんまる団地」の水準は大新聞も凌駕するぴかいちだとは、前から思っていますけど。これは、ずっと前に、つい切り抜いてたやつです。

あ、でも最近は他の大新聞の4コマ漫画も加計だの森友だの稲田などをとりあげはじめて、これもいい傾向だなあ。本来、当然のことではありますが。

◇漫画ついでに言いますと、自民党が理想の家庭は「サザエさんみたいなのだ」と、言ってるのには、身ぶるいするほど腹が立ちます。サザエさんの家庭や、その周辺の男性はいばってないし家事もしてるし、女性は強いし、サザエさんの世界は社会的関心も高く、まさに現憲法を体現してる戦後民主主義の可視化みたいな世界です。

私は今でも痛烈に覚えてるんですが、たしか寺山修司が、「サザエさん」を批判してたんだよね。公園かどっかで犬つれた若い女性に若い男性が話しかけ、見ていたマスオがサザエに「犬じゃなくて女性に関心があるんだ」と説明して見ていたら、男性は犬に熱烈にキスして、そのまま別れてしまって、「ただの犬好きよ」「そうだな」みたいな会話で終わる。この作品をとりあげて寺山氏は、男性性が去勢されているとか、ひいてはマスオは入り婿状態で磯野家の実権はサザエにあり、いずれは女系のタラが相続してこの家にマスオやカツオの居場所はなくなるとか、分析してました。

私はへえ、たしかにと思いながらも、その男性性の観点からサザエさんの世界が批判されるのを、すごく嫌悪感と拒絶感を持って読みました。でも、今考えると、自民党の言ってることより、さすがはるかに、「サザエさん」の世界の本質をちゃんと見てると思います。あれは国民漫画とも言われるけど、フェミニズム的にはずいぶん時代に先駆けて過激な漫画だし、日本国民は、あの世界を愛してきたんですよ、戦後ずっと。今もずっと。

それを自民党が理想の家庭とかいうのは、「人気と知名度にのっかろうとするだけで、実はちっともあの漫画を読んでもいない」か、「改憲とか伝統とか言ってるけど、彼ら自身の頭の中や肌には、現憲法と戦後民主主義がしみついていて、しっかり洗脳されている」か、どっちにしても対象も自分もちゃんと見られないで無責任なことを言う政権党には、まちがいないですけどね。

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カツジ猫