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ぼくは、かいぬしと、からすをきく(カツジ猫)

みなさん、おはようございます

かいぬしは、このごろ、あまり、ねむれないようで、
「これが、よにいう、じりつしんけいしっちょうしょうとか、
うつびょうとかいうものかしら。
まいにち、なんだか、もう、しんでしまって、
じぶんのしんだあとのせかいを、みながらいきているようなきがする」
と、ぶっそうなことをいいながら、
けっこうげんきに、あるきまわっています。

かいぬしが、よるにねないで、あけがた、ふとんにはいるので、
ぼくは、それまで、べっどのうえで、ひとりでねています。
ときどき、にゃあにゃあ、さいそくにいくと、かいぬしは、
「あらー、かつじ、さみしいの。
もう、ねたいんだよねえ」とかいいながら、
ぼくをだいて、ひざにのせて、ぱそこんを、うっています。

あけがた、かいぬしが、つかれて、べっどにくると、
ぼくは、しばらくして、かいぬしのくびのところから、
ふとんに、もぐりこんで、
かいぬしの、うでまくらで、ねます。
しばらくすると、あたたかくなりすぎるから、
ふとんからでて、まくらのうえで、ねるのだけど、
このごろは、かいぬしの、ねるのがおそいから、
ぼくが、そうやって、だかれて、ねているうちに、
よがあけることもあります。

けさは、からすのこえで、めがさめた、かいぬしが、
ぼくをだいたまま、
「えどの、よしわらみたいだねえ、かつじ」と、
ねむそうにいっていました。
よしわらって、なんだろ。
そこは、あさに、からすがなくのかな。

 

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カツジ猫