1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. ぼくは、ちょっと、かなしい(カツジ猫)

ぼくは、ちょっと、かなしい(カツジ猫)

みなさん、こんばんわ

ぼくは、すこしまえにしんで、にわにおはかをつくってもらって、
じゆうに、あるけるようになったから、たのしくて、
あちこち、にわをさんぽして、きょう、はじめて、
かいぬしとふたりで、くらしていた、おうちにはいりました。

かいぬしは、いえのなかを、あちこち、かたづけて、
かべや、つくえのうえに、いっぱい、ぼくのしゃしんをかざっていました。
 それは、うれしかったし、おもしろかったけど、もんだいは、
もうずっとまえにしんだ、せんぱいねこの、きゃらめるさんと、
あにゃんさんという、にひきのねこがいて、
ぼくがいきているあいだもずっと、いえのなかにいたのだって。
 かいぬしや、ぼくのめには、みえなかったけど。

あにゃんさんは、おとなしくて、いるかいないかよくわからないし、
きゃらめるさんは、そんざいかんありまくりだけど、
べつに、ぼくのことはいじめないし、ふつうに、くつろいでいて、
とくに、かまってきません。

だけど、かいぬしとふたりだけでくらしていた、いえのなかに、
ほかのねこが、いると、ぼくは、おちつきません。
 いきているときと、おなじように、
さいていでも、かいぬしがしぬまでは、ずっとふたりだけで、
またくらせるとおもっていました。

かいぬしには、ぼくのすがたはみえないらしいけど、
しょっちゅう、はなしかけてくれるし、みてくれると、めがあうし、
これからもずっと、ふたりだけで、いられると、
すっかり、おもいこんでいたから、なんだか、へんなきもちです。
 ぼくのいえなのに、ぼくのいえじゃないみたい。

かいぬしは、ゆうがた、でかけて、かえってきて、
「ただいま、かつじ」といってくれて、
ごはんのよういをしています。
 きゃらめるさんは、かいぬしのあしに、ちょっとすりついて、
またべっどにもどっていきました。

そんなことするのが、ぼくいがいにいるなんて、なんだかいやです。
 いままで、みえなくて、きづいてないだけだったんだとおもうと、
へんなきもちになります。

てーぶるのうえに、いつものようにすわったら、
かいぬしは、わらって、ぼくをみてくれました。
 きゃらめるさんのことは、みえないのかな。

やっぱり、しぬんじゃなかったなあ。
 しんでからはじめて、そうおもいました。

ほかのねこのことなんか、みえないで、
かいぬしと、ふたりでいきているほうが、
ずっとよかったと、おもいます。

これから、どうなるんだろう。
 やっぱり、さびしいなあ。
 なんだか、つまらないなあ。

いきていたときと、おなじように、
かいぬしがいないときでも、ひとりで、おうちにいたほうが、
ずっと、さびしくないんだけどなあ。
 これからもずっとそうなるとおもって、
たのしみにしてたんだのになあ。

Twitter Facebook
カツジ猫