ぼくは、なやましい(カツジ猫)
みなさん、おはようございます
ぼくの、はなのはげていたのは、だいたい、なおりました。
きれいに、けが、はえてきたので、
かいぬしはよろこんで、
「かみさま、ほとけさま、ごせんぞさま、ありがとうございます」と、
ぶつだんや、かみだなや、さいだんに、てをあわせています。
「わたしは、むしんろんしゃの、ゆいぶつろんしゃよ」と、
ひとには、いっているのに、
「どこがー」という、かんじです。
ぼくを、だいて、あまった、ぬりぐすりを、ぼくのはなに、ぬりながら、
「きょうか、あした、びょういんにいって、みてもらうけど、
たぶん、だいじょうぶとおもうよ。よかったねえ。
まだまだ、ながいきしなくちゃね。
でも、できたら、わたしよりまえに、
わたしにだかれて、しになさい」といいます。
そんな、むずかしいことをいわれても、こまるんだけどな。
だいたい、かいぬしは、いろんなじんじゃや、おてらや、きょうかいで、
おまいりして、おいのりするときに、
「かつじが、しあわせで、ながいきして、やすらかに、しにますように。
そのためには、わたしも、ながいきして、
げんきで、しあわせに、かれを、みおくれますように」と、
いつもいっているみたいで、
それって、なんだか、ずるくないかな。
ぼくを、だしにして、かみさまを、きょうはくしてるんじゃん。
かいぬしは、きのう、ひさしぶりに、
「おはなが、きれいになった、おいわい」といって、
おさしみを、わけてくれました。
「なまざかなを、たべさせていいかどうか、
おいしゃさんにきいたら、だめといわれそうだから、
きかないでおこう」と、いっています。
ほんとうに、ぼくのことを、かんがえているのかな。
かいぬしが、そんけいしていた、さっかのひとが、
ぼくが「しゅようかもしれない」と、おいしゃさんにいわれたのとおなじ、
めのしたの、はなのわきに、がんができて、
とうびょうちゅうに、なくなったらしくて、
かいぬしは、「もし、おまえが、このまま、よくなったら、
きっと、あのひとが、みがわりになってくれたのかもしれないね」
と、わけのわからないことをいっています。
いったあとで、「わあ、われながら、おそろしいことを。
なんて、ばちあたりなこというんだろ。
ねこをかっていると、ほんとに、はっそうが、やばくなる」と、
はんせいしていました。
きのうは、あめだったけど、きょうは、いいおてんきです。
かいぬしは、いまから、おふろにはいって、
また、かたづけに、はげむそうです。