ぽちぽちちゃかちゃか。
◇ばりばりとまでは行かないが、それなりに仕事にはげんでいる。今朝は朝早くから、庭の一隅にはびこった笹を根っこから切りこまざいて、何とか土が見えるようにした。初代猫おゆきさんの命日までに、彼女の墓がある中庭のあたりまで、草を取ってしまいたいのだが、この暑さの中自殺行為かなあ。
ミステリ「フロスト始末」をやっと読み上げた。八方ふさがり、手つかずの懸案事項山積みの中でやけっぱちに奮闘するフロストに妙に共感、元気になれた。
マッカーシーの「アメリカの鳥」も半分近く読み進んだ。パリに留学したピーターの母への手紙の中の汚いトイレ事情その他に笑ったりして、そう悪いやつにも思えないがと、前にこの主人公の悪口言ってた若い人に理由を聞こうかと思っていたら、時はベトナム戦争の時代なのだが、ピーターはパリで徴兵逃れのための留学をしてる感じになっていて、他のことではものすごくモラルや良心に厳しいくせに、この点では何だかぬらーっと自分を肯定し、アジアなんかどうなっても別に的なことを平気で言ってるのに、あきれて目まいがした。ここのところかな、若い彼が怒ってたのは。
あんまり平気でぬけぬけとそういうことを書いてるので、ちょうど、周囲のリベラルなちゃんとした人たちが沖ノ島の女人禁制を「いけないの?」と不思議そうにしているのを見たときと同じ、寸分すきなくスタイリッシュな最新ファッションで決めた人が、パンツの前から性器をぶらさげて歩いているのを見たような、絶句するしかない気分になる。これは作者が、こういうやつとしてピーターを描いているのか、それとも作者自身の感覚なのか、いったいどっちなんだろう?
◇毎日新聞の朝刊の漫画は時事ネタも時折とりあげて、いいなと思っていたのだが、夕刊の漫画でも、取り上げるようになったな。これが二度目かしら。よいことだ。
まあ、諷刺というほどでもない、このくらい、あたりまえだと思うが、首相や政府の悪口は言うものではないという、石器時代の文化にここ当分急激に染まってた、アベ信者の人たちには、これでも充分不愉快なのだろう。でも、マスメディアや世論が政府をたたきすぎるとかって、冗談じゃないよ。歴代の自民党政権にしても民主党政権にしても、こんなもんじゃないぐらいたたかれて、文句も言わずにやってたし、第一もっと弱い立場の韓国や中国の人を苦しめるヘイト本や論説がさんざん本屋で平積みされて売られていたのを忘れたのか。
人間何でも慣れるから、スモッグの中で暮らしてたら、高原の空気の中とは言わずとも、普通の空気の中にいても、窒息してぶっ倒れそうになるんだろ。アベの作った独裁社会はスモッグの中の暮らしだったってことを、ちょっとは考えて見た方がいい。