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まかせちゃおけんて(笑)

子育てに忙殺される経験は私にはありませんが、このごろ、猫のカツジがテレビに見とれているのをいいことに仕事をしていると、もしかしたら世のお母さんが子どもにゲームをさせといて時間を作るのは、こんな感じかなと思わないでもない。

だんだんその状況に甘えて、今夜も世界の衝撃映像とかいう番組をつけっぱなして、パソコンを打っていて、ちょっとベッドに行ってみたら、カツジ猫は熱心に事故や事件の映像を見ていた。

ところが、大きな樹木を満載した巨大トラックがすべって逆走して驀進してくる場面の、どこが悪い意味でのツボにはまりまくったのか、突然びびって、あとずさりして恐怖に目をまんまるにしたまま逃げ出した。

やつは最近、ベッドからエサ場の台所のテーブルに行くまでの経路を、ズルをして、私の食事をするベッドの頭の小テーブルを横切って行く近道を使うようになっていた。お客さまとお茶するときのテーブルでもあるので、人によっては、カップやケーキ皿の間を猫が横切って行くのは不快だろうと(書いてて気づいたが、誰も不快にきまってるわな)、そろそろやめさせなくてはと思いつつ、不器用でどんくさいように見えるのに、毛むくじゃらの短い脚が器用に湯呑みやご飯茶碗をよけて歩いて行くのを食事のたびに見るのがおかしくて、ついそのままにしていた。ここ数日は疲れていたし気がゆるんで、いつもは必ず片づける飲み物類のカップも急須も、そこにおいたままにしていた。

彼は、そのテーブルの上をすっとんで行った。あれだけ脅えきっていたのに、お茶のなみなみと入った湯呑みも急須も何一つひっくりかえさなかったのは、年老いているとは思えない野生の勘だ。と言うより十四歳にもなっていて、テレビの映像にあんなに真剣にびびるかね。彼的にはきっとドラえもんの、どこでもドア風の小窓から、何かが侵入突進して来たとしか思えなかったにちがいない。

私は台所の床にへばりついていた彼をラグビーのタックルなみに上からおおって、つかまえて、抱き上げてなぐさめてやったが、笑えて笑えてしかたがなかったので、彼としてはあまり癒やされなかったのかもしれない。抱き上げてベッドに連れて行って、チャンネルを変えてやったが、またすぐに外に出て行ってしまった。トラウマになっては大変だから、しばらくテレビはつけずにおこう。そんでもって、彼はまだ、外に出たまま戻って来ない。今夜は暖かいからまあいいのかな。しかし黄砂が飛ぶとか言ってたし、汚れた毛をなめて消化不良でもおこさなきゃいいが。

それにしても毎度毎度、何かと心配させ笑かせてくれる猫ではある。歴代の賢い猫たち(レジェンド級ではキャラメル、シナモン、おゆきさん、直近ではじゅんぺいやみなきち)は、若いときから多分こんなにアホじゃなかった。まあ、その内に帰って来たら、チュールをやってなぐさめておこう。しかし、これでは、ブログをまかせてもおけんなあ。書き手が主役になってどうすんだよ、なあ、カツジ。

それとは関係ありませんけど、庭のつつじは、ますます満開。これはシナモンのお墓の上のつつじです。白地にほのかな紅色が、しっかりものの賢かった彼女を思い出させます。何となく、死んでも自分のお墓の世話はきっちりしているような彼女の面影が目に浮かびます。

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カツジ猫