まとめちゃえ（六年生の夏・１２）

昨日アップしそこねたので、二日分をまとめてしまいます。この日から福岡の叔母の家に行って、しばらく滞在しています。叔母は保健所、叔父は病院に勤務していたのじゃないかしらん。中間市の社宅に住んでいて、田舎の私の生家に比べると小さい家で、現代から見たらつましい暮らしでしたが、最新の家電やぜいたくな品があふれていて、田舎暮らしの私には、とても華やかな生活に見えました。

８月１０日　日曜　天候◎　起床６時０分　就寝１１時０分

朝の汽車でおばの家に行った。小倉の駅でパレットやおもちゃや色々なものを買ってもらった。中間の少し手前の所では雨がじゃんじゃんふっていたが、駅に近づくにつれて小ぶりになり汽車を下りたころにはすっかりやんでいた。家に着くとかぎがかかっているので中へ入れない。伊佐子ちゃんが池田先生とか言う人の家へ行ってかぎを取って来てくれるまで私たちはずい分長い間、待たされた。部屋に入ってちょっと勉強した。それから水をまいたり、せんたくをしたりした。おばが呼んだので行ってみると庭にいすとうちわと果物を出して、二人で夕涼みしなさいと言うので伊佐子ちゃんと二人でぶどうを食べていた。所がものの１０分と立たない内に雨がふり出したので私たちはあわてて、家に入ってテレビを見ていた。すでに雷が鳴っていたが私たちは気にもとめなかった。とたんにピカッガラガラドーンと音がして、電気が消えてしまった。とっさにテレビをきって、げんかんへにげた。幸い、雷はおさまったが、この様子じゃどうもどこかへ落ちたらしい。

 

８月１１日　月曜　　起床７時１０分　就寝１０時５０分

図画　形をとる
　手紙　後藤先生　安部先生

勉強がすんでから、庭に出て草を取っていた。すると伊佐子ちゃんが呼んだので行って見ると、配給所へ買物に行こうと言う。私も買いたいものがあったので、ついて行った。そこでは何もかも、とても安かった。鉛筆一ダースが９６円で帰るし、宇佐では２０円のバラえのぐが１４円だった。家に帰ってひょいと図画をまだ書いてない事を思い出し、どこを書こうかと考えていたが、ひょっと半分物置みたいになってる部屋を思い出した。行ってのぞいて見ると案外悪くない。それに、外にいい所も思いうかばないから思い切って形をとってしまった。昼ごはんはおばもおじも出かけてしまっているので私と伊佐子ちゃんの二人だけで食べた。悪い事には、私たちが食べ出すとすぐに庭に居たノラネコが鳴き始め、食事がすむまで、ひっきりなしに、いやあな声でウワァオン、ウワァオンと鳴き続けていた。おかげでごはんがちっともおいしくなかった。　

「配給所」というのは、今の生協のようなものだったのでしょうか。何しろもうまったく記憶がありません。こういう感じだったのかな。
　この日から気温の記述がなくなっていて、ちょっとつまらないです（笑）。

写真は叔母と伊佐子ちゃん。私の家の近くと思っていたけれど、よく見るとどこかはっきりしないですね。