よく言うよ。
◇最近、新聞もテレビもしっかり見てないので、知らなかったのですが、安部首相は集団的自衛権が必要と国民にアピールするのに、他国から避難する一般人の乗った船が攻撃されても、今のままではそれを守ることができない、おじいさんやおばあさんや、お母さんや幼い子どもが乗っている船でも見殺しにするしかない、それでいいんですか、みたいなことを言ったらしいですね。
もう、ばかばかしすぎて、頭がくらくらしました。
安部首相と、その周辺の人たちからなる今の政府がしてきたことは、過酷な職場で苦しむ若者、病院から追い出される老人、生活保護者、原発労働者、被災地からの避難者、その他、ありとあらゆる弱い人、苦しんでいる人、助けを必要としている人たちを、これでもかというぐらい、徹底的に無視し、黙殺し、切り捨てる政治でした。もうそれだけは、誰もが否定できないだろうというぐらい、明明白白な事実だと思う。「困って困って、一家心中しようと思ってたところを政府の政策で救われました!」という国民が、この間いたら名乗り出てほしい。
口に出すのも気色が悪い、アベノミクスとやらの経済政策で、幸福になったのは、私の周辺じゃ知人の知人の友人の株をころがしてもうけてる金持ちのじいさんだけで、彼は一か月で6000万円もうけたと言ってたそうです。
そんな政治ですよ。切り捨て、見殺しにし、弱い者には目もくれないのが、終始一貫した首相の姿勢ですよ。ほとんどDNAかと疑いたくなるぐらい、この人には他人の苦しみや痛みを感じる痛覚がマヒしてるんじゃないかと思えるぐらい、冷たい残酷な政策を、これでもかって実施してきた。
そんな人の口から、「お年寄りや女子供の乗った船を見殺しにするのか!」と言われて、えっ、あんたがそれ言うのと絶句する以外の反応が返ると思うその神経が恐ろしい。
何となく皆ぽかんとしてるんでしょうが、それでもしぶしぶ、そりゃそうやなあ…と思う人もいるかもしれないと思うと、日本国民の人の好さに私はもう降参しますよ。それこそ平和ボケでしょうが。
◇それと、避難船が沈められるのを黙って見ていていいのか、というこの言い方は、個人的に感情的に私のいやな記憶をよみがえらせます。
「赤毛のアン」の続編で「アンの娘リラ」という小説があります。時代は第一次大戦中。(以下ネタばれ)アンの息子たちも戦争に行きますが、中でも詩人で繊細で、人を殺すことを何よりも嫌悪したウォルターが、最後に「これは許せない」と戦いに行くことを決意するのが、一般の人が乗っていたルシタニア号という客船を、ドイツの潜水艦が沈めたニュースを聞いたからでした。
その痛ましい事件も結局冷静に見ればどっちもどっちで、ドイツへの怒りをかきたてるため最大限に宣伝利用されたということを、その後別の本で私は知って、もう本当に衝撃でした。あらゆる意味で、いろんな意味で。
人の、優しい心につけこんで残酷なことをさせようとする、最低の人間たちを、私は決して許しません。
まったくもう、どこからどこまで、そういう人でしかないんだなと、首相の人柄をまたしても確認させられた気がしています。
◇昨日は大学の近世文学の研究会に出かけました。若い人たちの発表が楽しく、面白かったです。対馬藩の朝鮮からの書籍の輸入にまつわる謎とかドキドキしたし、中村三近子というマイナーな人の教訓書についての調査も珍しくて勉強になりました。
黒い新しいワンピースを着て行ったのですが、うっかりしていて出がけにカツジ猫が玄関のドアから、のそのそ脱走し、抱き上げて戻したので、黒い服がいっぺんに毛だらけになりました(笑)。