ドラマ「シャーロック」のこととか。
◇映画「ゲド戦記」を、ほめちぎろうと(笑)やる気まんまんでいるのに、なかなかそこまで、たどりつけない。世の中には楽しみが多すぎる。
◇BSのやってくれた海外ドラマ「シャーロック」、前にも書いたけど、原作を好きなものにとっちゃ、ノドをくすぐられてゴロゴロ言いたくなるような、うれしい場面ばっかりでした。マイクロフトの造型なんかもね、もーたまりません。
何より本質的に、ホームズとワトスンの性質がしっかりつかまれ、少々のバカ(ごめん)にもわかるように、ものすごくはっきりあらわにされてるのに、笑いころげて死にそうになった。「退屈だ、事件が起こらないか、人殺したちは何してる、被害者なんか別にどーでもいい」みたいな、この姿勢って、全部原作のホームズそのもので、いまどきの変にヒューマニズムにしないと各方面から抗議が来そうな、安っぽい世間的なモラルを、けろっと平気で無視しまくってる快さ、痛快さ。うれしくって、涙が出そうです(笑)。
第一、タイトルの「シャーロック」っていうのがねー。私、かなり昔から、「何であんなに親しい仲なのに、ホームズ、ワトスン、と呼び合って、シャーロック、ジョンじゃないの?」とふしぎでたまらず、英文学の先生や、海外生活の長い人やにも、よく聞いて、でも誰もわからなくって、どっかで、「ゲイの疑惑をまねかないように、作者が配慮した」みたいな話を読んだ以外には、まったく回答らしきものも得られないままだった。
なので今回のドラマで、二人が会ってからすぐ、ホームズが「シャーロックでいい!」と、すぱっとはっきり言っちゃうのに、思わずおおっと、のけぞりました。のけぞっただけで、疑問の回答はやっぱり得られないままだったけどさ(笑)、それやこれやで、ほんといろいろ愉快なドラマでした。
ワトスン君がけっこうハンサムなのは(吹き替えの声も)、最近の傾向なんでしょうかね。ホームズは私は「マスター・アンド・コマンダー」で軍医を演じたポール・ベタニーが、あまりにもぴったりと、いつも夢見てしまうんですが、今回の彼もなかなかよかったです。あーゆー人だったんだろーなーと思わせる説得力が、はんぱじゃなかった。
◇テレビじゃ島田紳助の引退問題で毎日かまびすしいですが、私は女性をなぐった事件では引退させられなかった人が、こんなことで引退させられるのが妙に不愉快という、屈折した不快さを味わってます。