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ドラマ「平清盛」ですが

◎じゅうばこさん

まあまあだったのじゃないかと思います。先日いっしょに飲んだ方は、「あそこまで、めちゃくちゃな設定をしていいんですかねえ」とあきれていましたが、私は「江戸時代の歌舞伎や浄瑠璃に比べたら、あの程度、軽いもんですよ」と言いました。

頼朝のナレーションというのも意表をついていて、悪くないと思ったし、あの役者(岡田将生)の妙な軽さと安っぽさが(いや、そこがいいのです)、清盛なき後、時代が小粒になったことを(本当にそうかどかは別として)示しているようで、説得力があります。

どのみち、「平家物語」などでは影の薄い頼朝ですから、その分、どう作ってもいいわけで、まあ見ようによっては、「平家物語」では悪役の清盛と、二人でタッグを組んで、既成概念に挑戦しているような面白さがある。

ただ、毎回ちゃんとうまくやらないと、「語り手って誰? 頼朝って誰?」と迷子になる聴視者がいるかもしれません。
それと、全体に非常に視聴者のごきげんをとっていないといおうか、サービスを拒否しているといおうか、むしろ神経を逆なでしようとしているといおうか、そういう画面で、まあどこかの知事さんが怒ったというのも無理はないと思うほど、当時の京都も日本も汚く描いていますね。お~、これは、と感心しながら、これにどこまで、見る人がついて来るのかと心配になりました。でも、変にちゃらちゃら、こびていないのは、私は好きです。

昔、江戸文学の権威の中村幸彦先生が、そのころは30年ほど前で、ちょうど何かと中世のパワーやエネルギーが評価されてブームの時代だったのですが、宴席での雑談で、「(今、中世というのは、ずいぶん持ちあげられているけれど)私は中世というのは、おどろおどろしい、気持ちの悪い時代だと思うんやけどなあ」と、もらされたのが、今も印象に残っています。
あのドラマを見ていて、それをあらためて思い出しました。中村先生が言おうとしたのは、こういう雰囲気だったのかなと納得させてもらっただけでも、あの妙に冷たくて見る者を拒絶する感じの画面は、私にはうれしいです。

あのぶっきらぼうで、荒っぽいタッチのままで、これ以後、保元の乱、平治の乱、とあまり映像化されたことのない戦闘が、ていねいに描かれそうなのも楽しみです。白河院の魔物っぷりも、なかなか魅力的じゃありませんか。
どこまでやれるかはわからないですが、今風の、細やかな優しい映像や雰囲気では、あの荒々しい時代と四つに組んで描き出すことなんか、きっとできないでしょうからね。私は期待しています。

◎カツジ猫はストーブを出してもらって喜んでいますが、芯の調子があまりよくなくて、どのみち古いので、買いかえなくてはならなくなりそうです。そろそろ安売りが始まっているとはいえ、また金が出て行くよなあと頭をかかえているところです。

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カツジ猫