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バカでもトップがつとまる国家(ひょっとしたらほめてます)

昨日、夕方のラッシュ時に車を走らせていたら、「多忙のため」税金を数回滞納して差し押さえもくらった財務副大臣が、「職務をまっとうすることでつぐなう」みたいなことを言ってて、辞任する気もないらしいとカーラジオのニュースで聞いて、あきれはてすぎて危うく事故るところだった。首相の給料値上げ分の返納と言い、何から何までとんでもないことばかりで、この分ではこっちの命がいくつあっても足りない。

その一方で先日深夜のテレビで、NHKの中東問題の歴史に関するドキュメントを、つい深夜までしっかり見てしまった。まだアベ政治がNHKの首をしめて骨抜きにする前に作った番組だったからかもしれないが、わりときちんと、イスラエル建国のいきさつや、米国はじめ列強諸国の役割を描いていた。

それにしても、まあうすうすは知っていたけど、イスラエルのしたことの数々は本当にひどすぎる。ホロコーストのショックから罪の意識を感じて、その無茶苦茶を見逃して許した世界もひどい。そして、すべての根底には、米国の軍事産業のどす黒い影がある。

イスラエルと日本とはある意味、対象的な戦後を歩んで来た。平和憲法で戦争を回避しつづけた日本と、徹底的な力の支配で再び被害者になることを拒絶しつづけたイスラエル。そのために国を追い出され、長い年月難民となったパレスチナ難民が、アラファトの指揮のもと武装闘争に踏み切ったのも、アラファトが随分譲歩して平和と共存を築こうとしたことも、あらためてよくわかった。

よかれあしかれ、聖地エルサレムをめぐって、ひりひりするような外交と武装闘争をくり返したイスラエルとアラブの政治家や市民たちは、命をかけて、とぎすまされた政治や社会への感覚をみがいてきた。一方でまがりなりにも平和を守った日本は、こんなバカで無能で低級な思想や発想しかなくてもつとまるような内閣と指導者を生んだ。

何やら映画「第三の男」の、毒殺や悪事にあけくれたボルジア家は偉大な芸術を生み、スイスの平和は鳩時計した生まなかった、というセリフを思い出しそうになる。ちなみに私の自費出版の小説シリーズ「鳩時計文庫」(なお、「水の王子」は完成しています)のネーミングもそこから来ているのだけど。

そして、わが国の指導者と国民(私自身も含めてだ)の劣化と低水準に心からうんざりしながらも、そのネーミングと同じように、心のどこかで私はふっと、こんなバカどもでも指導者がつとまる今の日本の方が、イスラエルとアラブの優秀な指導者や市民に比べたら、まだましなのかもしれないと、とんでもないことを感じたりもする。

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カツジ猫