マカロン
行きつけの動物病院から、猫のカツジのワクチンのお知らせが来ている。少しはきれいにして連れて行きたいという見栄が働いて、ブラシをかけてやると、けっこうもしゃもしゃ毛がとれた。しかししばらくブラッシングをしていなかったので、いやがって抵抗され、結局身体の半分、片方の側しかブラシをかけていない。だいたいどうも、こいつは、同じ側を下にして寝るような気がするのよね。今寝ているから、ちょっとまた挑戦してみてやろうかしら。
「しんぶん赤旗」のコラムで、カミュが「ペスト」にこめたファシズムへの寓意は、彼の戯曲「戒厳令」に端的にあらわれていると書いてあった。ちょっと読んでみたくなる。そして、この「戒厳令」のまえがきでは、デフォーの「ペスト」を脚色してほしいと頼まれたことや、今同じ題の小説を発表しようとしていることなどが書かれているそうだ。二つの「ペスト」の本の関係も少しわかって、勉強になった。
ブルー・インパルスの件、私は頭上の爆音が大っきらいだから、かえって気づかずにいたが、考えてみると、そんなにけっこうな、お金もかかる航空ショーを、東京都民のためだけにやったというのも、たいがい地方蔑視というか、バカにしてるよな。その感覚もまた、実に行き当たりばったりで大ざっぱで、心がこもっていない。
「巴里マカロンの謎」は読んでしまったのだが、適当に読み直しては、その精緻さと繊細さとかすかな毒を楽しんでいる。目当ての菓子屋に行く暇はなかったが、近くの店でマカロンがあったので、ケーキといっしょに思わず買ってきた。明日は久しぶりに紅茶でもいれようかしらん。