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ミニミニすいか

あまりと言えばあまりの暑さ。まったくどうにかならないもんかね。
 ご近所がすいかを作っておられて、できそこないなのか、小さいすいかが、ちょこんとぶら下がってるのがかわいくて、こっそり写真を撮りました。最初はぷりん、ころっとかわいかったのに、ちょっと時間がたったら、しなびて縮んでしまったようで、いまいちですけど、まあ、見てやって下さいませ。

わが家の柿の木も、そこそこ実をつけています。でも、この木、田舎の実家の柿の実の種から伸びた木なんですけど、なぜか元の木とちがって渋柿なのよね~。去年初めて実をつけて喜んだのですけど。今年はどうなんでしょうか。
 仮に渋くても、干し柿にするか、少なくとも見た目はきれいで目を楽しませてくれるでしょうから、花と思って期待しておきます。

十年ぐらい前から読みさしで放っておいた『明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか』という文庫本、少し前にようやく読み上げ、感想を書こうと思ったらまた本がどっかに行って、しばらく見つからなかったのですが、先日パソコンの横に積み上げた資料の間から見つかりました。

いやこの本、明治期にロシアに渡って活躍していた、日本のいろんなサーカス団や芸人たちが、どんなに広範囲に大胆に動き回って人気を博していたかという、それだけでも、何だか魂をゆさぶられるようなスケールの大きさでどきどきするんですけど、それに重なって、ものすごく資料が少なく錯綜する中、しつこく細かく粘り強く調査し発掘する作者の過程が、これまた研究とか現地調査とかした人なら、もうその目まいがするような遠大で壮大で緻密なのに、もう息が詰まりそうになってくるのよね。人によっては地味で退屈かもしれませんが。真実を歴史の中から掘り出して再建するってことのロマンがじわっとしみこんで来ます。

今、参院選で、口から出まかせのウケ狙いや思いつきで、その場しのぎのでたらめを垂れ流してる候補者たち、日本人ファーストとかほざいて移民や外国人を攻撃すりゃ票がとれるかと思って、実際それに共感する人たちのことなんか、このロシアで芸だけを頼りに生き延び続けたサーカス団や、地を這うような作業を続けて真実のかけらを拾い集めて歴史を作った作者と比べるのも思い出すのも、もったいなくて、汚らわしいけど。

サーカス団の一人ひとりは、もちろん異国の政治状況や国際関係に翻弄されます。スパイの疑いで銃殺された人もいる。でも、その人の処刑される直前の写真が残っているのだけど、脅えても悲しんでもいない、実に毅然とした落ち着いた顔で、しっかり前を見すえています。「挫けて、うちひしがれた人間の目ではない。何かに抵抗している」ようだと、作者が書いているとおりです。異国の地で、芸を武器に民衆を沸かせ、生き抜いて来た人の自信と誇りがみなぎっているようです。他にも、さまざまな数奇な運命をたどった人たちの人生がうかがわれて、心が壮大になって行きます。

それで思い出したけど、三十代のころ友人と二人、ソ連に旅行して、最初の都市のナホトカかどこかで、現地のサーカス団を公演を見たのですよ。田舎だったからなのか、ピエロの演し物とかが、奥さんを夫がぶったたくみたいな、しょうもない女性差別もので、友人は「ソ連でもああなんやねえ」と親近感を抱いて大笑いして喜んでたけど、私はがっくりして苦々しくて、友人もソ連も相当嫌いになりましたっけ(笑)。

今朝は初めてかな、セミの声を聞きました。お月さまもほぼまんまるになって、季節は順調に進んで行ってるみたいです。

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カツジ猫