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ミランダのところの目立たない猫

夜が寒くて仕事がちっともはかどらない。ストーブを出すか、ひざかけ毛布を出すか、母の編んだ毛糸の服を着てみるか、いろいろ対策を考えているが、今週は暖かくなるんだって?

庭では水仙が盛りを過ぎた。かわりに梅が小さく二三輪咲きだしている。ノラ猫さんがまたしぶとく、前庭をトイレにしていたので、朝掃除して除草剤をまいた。近くには山も空き地も多いのに、よっぽどここが気に入っているのだろうか。私はお刺し身のパックに入っているわさびを使わないので、物は試しと、それを適当にまいておいたが、どうだろうな。

寝る前や食事のときに、だいぶ前に買った海外度ドラマの「セックス・アンド・ザ・シティ」を英語版の英語字幕にしてぼやっと見ている。語学の勉強になるかと言うより吹き替えと日本語字幕を見飽きたからだが、そうしていると、声優さんたちの声がまったく違和感がなかったことがわかって、よくもあれだけ同じ声の人を見つけたなと感心する。
唯一シャーロットの声だけがかなりちがう。英語の方がずっと低い。ほとんど男性の声のように聞こえたりする。お嬢様キャラだから、さすがにもうちょっと甘めの声にしなければ日本では無理だったのだろう。
代わりに、ミランダの声はちょっとだけだが、高い。そしてミランダと言えば、最初からずっと猫を飼っているが、白い部分がまったくない黒茶のきじ猫で、要所要所で活躍?するが、ふだんはほとんど何もしないし、存在感もあまりない。それがいい。

ミランダはこの猫をそれなりにちゃんと、かわいがっているのはわかるし、べたべたしないし、猫も甘えないし、かと言って警戒もしてないからなついてるのはわかるし、理想的な関係だなあと思って見ている。ミランダがいろいろ人生の方針を決めるときも、猫にこだわっている様子はまったくないし、でもちゃんといつもいっしょにいる。
大きめの猫のようだが、いわゆる長毛種ではない。そこもミランダらしくていい。
しかし、あのドラマ、かなり長く続いているけど、ずっと同じ猫なのだろうか。

ジムでトレーニングしているとき、テレビが見えてドラマやニュースをけっこう見てしまうのだが、多分「恋は続くよどこまでも」と思うが、筋やテーマや演技にはいっさいもう関係なく、看護師役のヒロインの医療行為中の、おろおろおたおたカマトトぶりが、気持ち悪くておぞましくて見苦しくて恐くて、ほとんど吐き気を催した。これから成長するという前振りか何か知らんが、実際に病院に行ったり検査を受けたりしている身としては、あんな態度や対応取られたら患者は冗談ではすまない。製作者に病院関係者や入院体験者がいないはずはないだろうけど、それでなおかつ、あんなポンコツ看護師のていたらくを映像にして流すのは、本当に単純にただもう神経を疑う。いやもう本当に、冗談や誇張にしていいことといけないことがあるんじゃないの。

未熟さをどうでも表現したいのなら、ちゃんとせいいっぱいの基礎的なことをしていて、態度もとっていて、それでもにじみ出る不安とか失敗とか描き方ってものがあるでしょ。ただもう手抜きのばたばたどたばたでは、医師も看護師も患者も病気も医療行為も、なめててたかをくくっててバカにしてるドラマだと思われてもしかたがないぞ。ついでに言うなら命も仕事も生き方も。

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カツジ猫