ローマでもアメリカでも。
◇ちょこっとお知らせをいくつか。
もう皆さんご存じかもしれませんが、少し前にこちらで紹介した、猫を川に沈めた男性は誰かわかって書類送検されたそうです。厳罰を求める署名もじわじわ増えているようです。詳しくは下をごらん下さい。
お年を召した方ならご存じでしょうが、昔は普通の人でも猫好きな人でも、子猫を川に放り込んで殺したり、(人間から見て)悪いことした猫を殺すことって、けっこう普通にあったんですよねえ。
夕ご飯に食べる鳥鍋のために、飼ってた鶏を庭の木につるしてしめ殺してた時代です。
ただ、それは畑を荒らすシカやイノシシを射殺するのとも共通するような、もっと言うならゴキブリやダニを殺すのと同じような、生活を守るためにしなくてはならない、いやなことの一部として、淡々とやられてたことでもあるのですよね。
もうそういう時代じゃないでしょうし、それは私はうれしいです。しのつくような大雨の中、私をかわいがってくれていた祖父がダンボールにつめた子猫たちを増水した川に放り込むのを、何もできないで見ているしかなかった、まだ小さかった私としては。
遠い遠い将来には、ゴキブリを残酷に殺すことにも、同じような怒りがうずまく社会になればとも、心のどこか底の方では思っています。
今回のこの事件で私が一番うっとうしいのは、この男性は自分のしていることを見せびらかしてることです。しかも自分が誰かわからないようにして。こういう、悪いとわかっていることを、わざとやってみせて自分の後ろめたさを人とわかちあおうとする人間って、本当におぞましいしうとましい。猫が嫌いで困るなら、他にやりようがあるでしょうし、自分が何か満たされないものがあるんなら、猫でも人でもまきこまないで自分で何とかするがいい。
まあそれができないから、こういうことにもなるんでしょうが。
という、いろんな思いをこめて、こういう事件はうやむやにしちゃいけないと思うのです。今からでも署名していただける方はどうぞお願いいたします。
◇それからこれもね。紹介しようと思ってる内に終わっちゃったんですけど。
目的を達成したということで、もう署名は閉じられてます。でも、これを見ていただいた方がわかりやすいと思うんで、そのまま紹介します。…って、見られるんかいな。
あ、やっぱりだめみたいだったんで、口で(笑)言います。
「ろくでなし子」という漫画家の方がいて、女性性器を描いたりされるようなんですけど、その画像をネットで出したかどうかしたってことで、警視庁に逮捕されたようです。
私はこの署名のお願いがメールで来たとき、マジで何のことかわからなくって、だってそうでしょう。あれだけコンビニに女の裸の写真の週刊誌とかがじゃかじゃか置いてあって、ちょっといろんな本の中身を開けば、男性女性とわず性器の絵なんていくらでも出て来る、ネットでだってどうせどこにでもそんなもんあるはずのこの日本で、どんな異空間が出現したんだと思いましたよいやほんと。
この方の絵が、よっぽどいかがわしい気持ち悪い絵なんかしらんと、わくわくしながら検索してみたんですけど、ものすごくかわいいイラストしか出てこないし、もうますます何が何だかわからないので、とりあえず署名はしましたけど、ここで紹介するにはもう少し調べたからにすっかと思っていたら、あっという間に署名が二万ほど集まって異例の速さでこの方は釈放されました。よかったですけど、ある意味よっぽどいいかげんな逮捕だったんだろうとしか思えないのよね。今になって私も、じわじわ腹が立ってきています。
テレビのニュースでごらんになった方も多いと思いますけれど、新聞は警視庁の発表のまま、この方を「自称芸術家」と紹介してるんですね、最初の逮捕のとき。著書もあって海外にもそこそこ有名なこの人を。
まあ、今もまだ私は、この人が何で逮捕されたのか正直わかりません。
「女が女の性器を描くことにがまんできない感覚を持つ人たちの攻撃」みたいな説も言われていて、つまり女性の性や身体をさんざん商品化してもてあそぶのはいいけど、女性自身が自分の肉体を見つめたり考えたり芸術の対象とし扱うのは許し難いことで、つまりいつも女性は見られて商品として扱われる存在でいろということで、日本の警察や日本社会の女性蔑視、女性差別の発想が今回はしなくも露呈したんだっていうことで、こんな国では少子化に歯止めがかかるわきゃないよってことで、ほんとかよーと思うけど、案外ほんとだったりして(笑)。
釈放はされたけど、これから裁判もあるだろうし、ご支援よろしくとのことなので、一応カンパの宛先とかを紹介しておきます。
https://twitter.com/otakulawyer/status/490033547873243136
でも、ここ読んでもいきさつはあまりよくわからないし、署名続けてくれたらいいのになー。なんかやってる人たちは遠慮ぶかいのか、問題が複雑でややこしくて異論が多いのか(全部私の空想だけど)、ひかえめなんですよね、やることが。
私は論文で忙しかったけど、実は腹が立って来たのにつれて、この方への支援のためにも、このブログでしばらく「わいせつな記事掲載週間」ってのをやろうかと思ってたんですよね(笑)。カツジ猫はペニスの写真とか撮らせてくれないだろうけど、私の二段腹ならぬ二段胸の話とか、もう何回かしたけど、若い女の先生から「きゃあ、やめて下さい、そんな話、セクハラです」と言われちゃったキャラメルと私のしょーもない話とか。いくらでもあるのよ下ネタなら♪
◇あ、そうそう、タイトルの意味だけど。
長く日本に住んでおられる外国の方の生活保護申請が却下されたようで、ローマやアメリカやが、強大な力を有
して栄えたのは移民や他国の人を自国の人と同じようにあつかったからじゃなかったっけ、とぼんやり思う私としては、こういう判決、こういうものの考え方って、ろくなことにはならないよって思いはするんですけど。
ただ、最近もうレマルクの「凱旋門」やら「リスボンの夜」やら「楽園のかげり」やら、要するに戦時下の亡命者の話をたてつづけに読んで、国籍や旅券に振り回され、数か月単位でしか滞在を許されない長い年月、送り返されたらそれは即ち死を意味する、みたいな人たちのストレスに満ちた日常とずうっとつきあっていると、とても奇妙な感覚に引き裂かれます。一方ではそうやって自国じゃない国に暮らすしかない人たちの苦しみや不安がすごく実感できるし、もう一方ではまだ生活保護が認められないぐらいはいいのかもしれない、みたいな気もして。
でも結局、それってひとつのことなんでしょうね。生活保護がほしいわけじゃない、いやもちろん必要なんでしょうが問題はそうやって、何につけ「あんたはここにいるのはまちがい」みたいに言われ、くりかえされること。それがいつかは強制送還とかにもつながりかねない不安。
差別って、されて得になることって、ほとんどないからなあ。そして、こういう貧しくて困ってる人たちの間での差別って一番どういうか、する方にとっても救えないです、いろいろと。
いや、わかりにくいこと言ってますね。またいずれちゃんと書きます。
実は私、「チョコレートドーナツ」の映画見たときも、まあいろいろと感想はありますが、あの男の子が家を追い出されてしまうのが、お母さんは「この子の前じゃ男とセックスできないから」と思って「ちょっと廊下に出ておいで」って言ったからなわけですけど、そりゃお母さんもひどいけど、でも子どもの前でやりたくなかったわけでしょ、彼女としては、そこはまだ、いくら何でも。
あそこで私は「ひどい親」と思う以前に、「広い家ならもうまったくどーってことないことなのに」と思っちゃったのですよね。「せめてもう一つでも部屋があれば」って。
それ言うなら、パチンコしてる間に熱い車中に幼児を置いてる親たちだって、ベビーシッター雇えれば、パチンコ以外のもっと優雅な娯楽があれば、そんなことしないですんだはずでしょ。
貧しくなかったら、ちょっとお金があるだけで、救える命や防げる悲劇ってどんなにあるのかと思います。
企業や金持ちからむしりとれ!とは言いませんけど(言ってもいいけど)、もうちょっとそのへん、どっか余ってるとこから回してあげられないもんなんですかねえ。家なんて田舎じゃいくらでも余ってるんだし。
◇夏休みなんだなあと思うのは、あっちこっちでにぎやかに子どもの声がするからです。数日前からセミも突然わしわしわしわし鳴きだしました。カツジ猫がよくいる庭ではサルスベリが一房ピンクの花をつけました。
よく行く花屋で、ダリアみたいに立派なマリーゴールドを買いました。これはこれでいいんだけど、あまり暑いんで青と白の花をむしょうに植えたくなっています。ナフコで物色してくるかな。
◇そうそう、毎日新聞の川柳欄で、
「もんじゅからおしゃかに改名したらどう」というのがあって、不覚にも相当笑わされました。