今さらながら「ラスト・サムライ」。
◇新しく出来たレンタルショップのDVDに、「探偵ナイトスクープ」の名作?版がいくつかあって、それを借りて見て笑ってたら、斬られ役の名優福本清三さんの初めて注目された、記念すべき回の録画があり、ついつい、その後「ラスト・サムライ」も借りて見てしまった。
これは映画館で見た映画で、その時も画面の立派さといい、俳優たちの名演といい、何よりかにより、どういうか、全編から立ちあがってくる、誠実さ、一生懸命さ、日本への好意などが、とてももう好感度高くて、それだけに妙にもう、ひたすら当惑し恐縮し、とても口には出せないが、とことん気味の悪い映画だなあ、と今になって、やっと口に出せるようになった(笑)。
こんなに誠実に作られた、こんなに感じのいい映画なのに、どこかもう、決定的にゆがんでいて、まちがっていて、あーもう、じれったいやらもどかしいやら。
しょーがないから、ちょっとずつでも気持ちの整理をしておこうかと、しぶしぶ感想と言うより、ぼやきを書き出そうとしたら、ちょうどまた、沖縄で女性が米兵に暴行されたというニュースに、いろいろ、死ぬほど、うんざりする。
沖縄県民、日本人、女性にとってどれだけ腹立たしい許せないニュースかというのは、あたりまえすぎて言うのもばかばかしいぐらいだが、何だか思わず米軍の偉い人のような気分になって、オスプレイ配備のよりにもよってこんな時に、酔って婦女暴行に及ぶなんざ、もしや犯人の米兵2人は、極左集団に洗脳された工作員ではあるまいかと、病的な空想をしたくなる。そのくらい(もちろん被害者の思いを別にして考えるとだが)アホな事件すぎる。
しかし犯人のことを思うと、やっぱりそれだけ戦争に従事するということは、人をすさませるのだし、こういう事件を起こさざるを得ない面があるのだなと思う。「リダクテッド」だっけ、あのやりきれない映画を思い出しても、どうせ戦地ではこんなことがしょっちゅう起こっているのだろう。
◇いつものことながら、話をややこしくしてすまんけど、私がこの手の事件でもう、二重三重にうんざりするのは、被害者の女性に同情し、うずまく抗議や怒りの中に、竹島や尖閣列島と共通する「わが国の所有物を汚された」という感覚もあるんだろうなということだ。それはすごくイヤで、だが、だからと言って、竹島や尖閣列島では怒り狂う人のボルテージが、この件ではそこまでもないのだったら、それはまたそれで、めちゃくちゃ不愉快だし、ほんとにイヤだ、この手の事件は。
ついでに言うなら、日本の従軍慰安婦問題で、そんなのなかったとか、それは強制ではなくてどうだこうだとか言いたがる人たちや、それに共感する人たちというのは、今回のこういう事件にどういう反応するんだろう。少なくともあんまり激怒できないんではないかと思うんだけど。「レイプした方にも何かの都合があったんだろう」とか、「女性の方にも理由があったんだろう」とか、「大きな米兵が二人で襲いかかっても、その気になったら抵抗できたし逃げられたはず」とかぐらい言わないと、矛盾しそうな気がする。あ、言ってるのかな。それはそれでまた以下同文。
◇そういうこととも、どっかで関係して「ラスト・サムライ」の気持ちの悪さはあると思う。なので、ヒマを見つけて、ちびちび書いて行ってみる。
◇キャラママさん、ゆきうさぎさん。
おほめをいただき恐縮です。つうか、催促したみたいで、すみません(笑)。