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何か、こう

◎自分とは毛色のちがう(と思う)人の本を読みたくなって、内館牧子の「十二単衣を着た悪魔」と小林よしのりの「脱原発」を買って来たら、どちらも面白くて一気に読んだ。内館のは「源氏物語」の弘徽殿女御をヒロインにしていて、たいそう面白くテンポよく読ませる。現代との重ね合わせ方が絶妙で、妙に納得が行く。

「脱原発」は、この前、玄海原発訴訟団の地域の会議のとき、若い弁護士さんが、「買おうかどうしようかと店内を本を持ってしばらくうろうろした」と言っていて、私もそうだと笑ったのだが、読んだら貸してあげようと思って買った。これもなかなか面白い。自分と意見の同じのだけを買うのも、ちょっと釈然としない気がして、「国防論」もついでに買った。小林氏は日本の核武装もとなえていて、ここはゆずれないらしいのだが、そういうのを読むと、やっぱり原発問題は平和や憲法の問題でもあるのだなと、あらためて思う。

◎カツジ猫が書いていたように、玄関先の郵便受けのかぎのダイヤルがわからなくなり、番号を忘れるならまだしも、番号を書いた紙が見つからなくなり、一日ばたぐるった結果、「カギの救急車」を呼んで6000円払って開けてもらいました。くうう、もったいない。もう二度と忘れないぞう。

そのカツジは、もとの飼い主さんが「お化粧を全然しない」とふしぎがっていて、実際あまりお化粧をしなかったようなのですが、このごろやけに身づくろいに励みだして、ヒマさえあれば、長い毛をなめたり、古いつめをかんで取ったりしています。
何しろ毛が長いので、舌にからまるのか、ときどき、ぺっぺっと口を開けています。
それを見ていると、震災からもうこんなに時間がたって、放射能に汚染された警戒区域でも生きのびている猫たちも、こうして時にはお化粧をしているのだろうか、そうやって放射能をなめて内部被ばくをしているのだろうかと、胸がつぶれそうに腹がたちます。
こんな事態を招いてしまった、自分自身が決して許せそうにありません。

玄海原発訴訟とは別に、個人で労災認定を求めて裁判をしている北九州の原発労働者の方の訴状を読んだのですが、これもまた、あまりのひどさ、理不尽さに、腹が立ってなりません。
この方は体力に自信があって、ばりばり働いていた方で、ごく普通の幸福な生活をしていたのに、仕事の内容も知らないまま、原発の作業に従事させられ、その後体調が悪化して労災を申請しようとしたら、ヤクザのような人に脅迫されてあきらめ、衰えた身体で仕事もできないまま持ち家も手放し家族も苦労し、今は生活保護を受けておられるとか。
こんな人たちの労働の犠牲の上になりたつ暮らしなど、いったい誰が享受したいでしょうか。ふつうに考えても、バチが当たるとしか思えません。私にまだこれと言ってあたってないのは、こういう事態をくいとめるための仕事をしろと言われているとしか思えません。

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カツジ猫