何だかおかしくないですか?
私はもともと、天皇制も君主制もなくなればいいと思っている人間だから、英国女王の死去に特に心は動かされない。別に個人的に嫌いでもないし、日本の上皇、天皇一家の皆さんには現政権の人々や元首相に比べて、はるかに信頼と敬愛の念を抱いている。
だからか、しかしか、この数日の日本全国の女王の死への騒ぎ方には、ものすごい違和感を感じる。他国の君主の死をこれだけ身近に悔やむのなら、世界各国の支配者のことも、もう少し気にしたらどうなんだろう。ここで何度も書いたように、元首相の国葬には大反対だし、すべて不愉快で最低と思っているが、それでも英国君主の死や国葬をこれと比べて、あっちがまともでこっちがおかしいと言うのは、大きなお世話だし、実に変な感覚だと思わざるを得ない。
個人的には、ゴルバチョフの死の方が、はるかに印象的だし、喪失感とまでは行かなくても、一種の寂寥感を感じる。あの大国を無事に軟着陸させて、血を流させずにソ連邦の終焉をやってのけた見識と手腕は、感謝しても感謝しきれない。その彼が、今のロシアのていたらくをどのような思いで見守りつつ亡くなったのかと思うと、ひとごとながら、本当にくやしく、世界の一員として申し訳ない。
重陽の節句のための菊は花屋さんになかった。旧暦とは季節がずれるので、素敵な菊の数々が出回るのはひと月ぐらい先になるとか。さしあたり、菊にかっこうの似たまっ赤なガーベラを買ってきた。庭でとってきたジンジャーとなかなかいい取り合わせだ。いただきもののすすきも飾ってみた。これも悪くない。