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何てこったよ。

◇朝からせっせと洗濯してずらっと、塀代わりの鉄柵に干したら、雨がぽつんと落ちてきて、あわてて全部取り入れたら今また日がさんさんと照ってきた。腹立つなあ。まあ久しぶりに下の家に徹底的に掃除機かけて、ちょっとすっきりしたけれど。

◇最近どうしてか主として東京方面から来る私宛ての書類のあて名が、よく「燿」子(正解は「耀」子)になっている。姓も名も昔からわりとまちがえられることが多くて、一度は故郷の市役所の戸籍までまちがっていて、大変な手間をかけて訂正したことがあったぐらい(こっちに非はない。市役所の方で何か書き写している間にまちがって、それが定着したらしい)だから、慣れてるっちゃあ慣れてるのだが、きょうび、いろんな書類で一文字ちがってたら大騒ぎになることも多いので、いちいち「すみません…」と訂正の連絡を入れていたけど、仕事が忙しいのもあって、度重なるとうんざりして、やる気までなくなりそうだ。

そんなまちがいはしそうにない所からも、まちがってくるから不思議だ。どこか何かのおおもとの名簿が誤記してるんじゃあるまいかと、あらぬ想像をしてしまう。しかし震源地をつきとめているヒマなんか今はないし、うっとうしいなあもうまったく。

◇「コードネームはアンクル」の映画はわりと人気があるようで、ついでに元の海外ドラマが衛星放送かどっかで再放送されはじめているらしい。DVDにもなってないドラマなので、なつかしいし、またテレビの契約しようかなと思うのだが、どうもその気になれないのは、田舎の家のテレビを引き上げ、こちらの家のテレビの工事がしばらくできなかった期間に、いったん解約しようとNHKさんに電話したら、もうその手続きがうるさくて、音を上げた記憶があるからだ。

宗教団体であれ政治団体であれその他の何であれ、私は「やめたい時にはすぐやめられるのか」「解約するときはすぐできるのか」を何となく加入するときの基準にしてる。いつでも離婚できるのなら結婚してもいいな、と若いときはよく思っていた(笑)。
テレビなんかずっと見て来たから、解約した経験なんかそれまでなくて、実際、田舎でもこちらでも、テレビはなくて見られないのに、半年以上放っていて料金を払いっぱなしにしていた。とうとう解約の手続きとったときでも、数か月か半年もしたら、また契約しようという気でいた。

ところがもう、NHKの職員さんの対応ときたら、まあいろいろと大変な、そうしなくちゃならない事情はあるのだろうが、君らは暴力団か暴走族か悪徳企業かカルト集団かと思うぐらい、あらゆる手段を駆使して解約をさせないように、手続きややこしい、担当者たらいまわし、その他いろいろのあげく、
「それで、そのテレビは今どこにあるんですか」
「リサイクル業者に渡しましたが」
「その業者は何という名前ですか。連絡先がわかりますか」
とか、
「その田舎の家で見ていた人は今どこですか」
「母ですが、今は施設に入っています」
「その施設は何というところですか」
とか、
もうとんでもないやりとりが、けっこう延々と続いたのです。

記憶で書いてるので細かい部分はちがうかもしれないけど、リサイクル業者の名前と、母の施設の名前を言えと言われたのはまちがいがない。もちろん言いませんでしたが、「えー、忘れたなあ」「それはちょっと…」とか舌ったらずな言い方で、アホな子のふりをして。
ああもうこんなことなら「おたくの籾井会長が気に入らないので、テレビは全部粗大ごみに出しました」とか言えばよかったと、何度思ったかしれません(笑)。

◇私は人間関係でもそうだけど、一番悪いくせは、「おとなしくしていたら、相手がどこまでつけあがるか見届けてやろう」という、純然たる好奇心からの誘惑にかられることで、当然ながら、これでいい結果を招いたことってあんまりないのです。相手にしてみれば、突然がぶっとかみつかれるか、手のひらかえしたように冷たくなられたとか、そういう印象しか持てない。それもまったく無理はない(笑)。

多分しいてしいて弁解すれば、私は世の中で一番弱くて愚かで要領悪くて優しい人がいったいどんなめにあうのか、身をもって体験してみたいという気持ちがあるんでしょうね。そんなに自分が強くも賢くもないのに、そんな余裕はないはずなのですが。

というわけで、それはともかく、その時に私は、日本がほろびてNHKも解体される事態になるまでは、絶対もうテレビの契約なんかするものかと、受話器をにぎって猫なで声を出しながら、おのれに誓ってしまったのよね。
いくらナポレオンソロとイリヤクリアキンを愛していても、それはもう変えられない。ちなみに、これも私のまるで自慢できないくせですが、私は「愛するものを得るために、愛してないものを受け入れなくちゃならない」場合には、まったく何の逡巡もなく、愛するものをあきらめる人間で、だから私の愛するものにくっついて私に近づこうとすると、あっさりいっしょに切り捨てられる。これも私が「あの人、何を好きなのかわからない」と思われちゃったりする理由のひとつかも。

◇おやまた、暗くなってきた。洗濯物を取り入れたのは正解だったかな。
メインクーンかもしれないカツジ猫(笑)は、掃除機をかけてる間、びびって庭に逃げ、私が疲れて小休止すると、すかさず戻ってきてうろつき、再開するとまたすたこら逃げ出していましたが、今はようやく落ち着いて最近好みの椅子の上で、丸くなっています。

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カツジ猫