優しい心になるために
明日は多分「砂と手」シリーズの最終三冊が数セット届く。そうしたらすぐに、関係者何人かに発送しなければならない。要するにちょっと忙しい。よって今夜は早めに寝なくちゃ。
押し入れの奥から古いバッグが出て来た。電話器のかたちをした奇抜なデザインで、真っ赤で、面白かったのだが、人造皮革が劣化して蓋もはずれて、色もはげてた。あんまり使わなかったのでかわいそうで、何とか修理が出来ないかと隣町の店に持って行ったらさすがに無理だと言われた。古いバッグが多すぎるので、処分してもいいのだが、何かに使えないかなとつい思ったりしている。これだからなあ私はまったく。
出かけたついでに無印良品で安売りしていた大型のバスタオルを数枚買った。ベッドの枕を重ねた部分にかぶせるのに欲しかったのだが、これまた捨てきれないぼろぼろの布巾やタオルや何かが山ほどあるのを何としよう。実はもう十数年前から使ってる布巾類が、人には見せられないほどすりきれてウェス状態になっているのを、まだ使っていて、毎日洗っていて穴だらけになっても消えてなくならない耐久力を持て余している。この際全部一気に処分しちゃうかな。
私は食事も旅行も生活も、どっちかと言うと一人の方が楽しい。特に最近のように体力が落ちて来て、疲れるのもバテるのも予測不能になって来ると、人がいない方がマイペースで動けて楽しい。だけれども、猫のカツジは、人間並みにしょっちゅう介入してくるので、ときどき猛烈にうるさくなる。ようやくのことで食事を作って食べだすと、飯をよこせと寄って来るし(前にちゃんと食べさせてても)、入浴してくつろいでいると、蛇口から水を飲もうとやって来て風呂の温度を下げて日なた水にするし、ばててベッドに倒れていると、近寄って来てくっつくし、何をするにもどこかで彼の存在が気になって、おちおち気をゆるめていられない。それがものすごくストレスだ。
これというのも、忙しすぎて気持ちがささくれだってるからだろうと自己診断して、本屋で猫の小説や漫画を数冊買って来た。少しは優しい気持ちになれるかしらん。何だかもう、子育てに疲れ果ててる専業主婦と、ばてばてで帰宅する社畜の夫と、一人で二役やってるような気がするのよね、このところずっと。