1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 他人ごとじゃない

他人ごとじゃない

朝ドラ「あんぱん」が映像美に凝ってるという私の印象は思い過ごしじゃなかったようだ。今朝の最初のシーンもまた、緑したたる田舎の風景の中を、白装束の葬列が進んで行くという、どっかの芸術映画みたいな絵柄で、思わず息をのんだ。

来週から子役さんたちは退場らしいが、あの配役もよかったな。男の子の憂いあふれるまなざしも、女の子の荒削りでタフで繊細なパワフルさも、しっくりキャラに合っていた。あれが演技なら大したもんだし、選んだ人の目もたしかだ。

たださ~、最愛の父を失って悲しみにしずむ一家の情景を見ていると、幼い子どもたちも嘆く父母も放心したような妻も、否応なしに、あの立花なんちゃらのせいで同じようなことになった兵庫県の議員さんのご家族を思い浮かべてしまって、余分に胸がかきむしられる。

大河「べらぼう」の遊里の場面を「子どもといっしょに見られない」と言ってた人もいたけれど、あの議員さんのご家族は、同じように残された子どもたちと、この朝ドラをうっかりごらんになっていたら、どんなお気持ちがしたろうか。

あらためて、無責任な誹謗中傷にうつつを抜かした人たちの罪の深さを痛感する。ネットでかせぐ目腐れ金に目がくらんで、あなたたちが作ったのは、こういう家族の情景ですよと念を押したくなってくる。そんなんでもうけた金で手にしたもののすべてに服でも食べ物でも呪いがかかればいいと、いやー最近ギリシャ神話とか読んでるせいか、ついそういうことを言ってしまいたくなる。

とは言え、実は私も小学生のころ、何の根拠もないのに、クラスの子を弾劾して、他の子どもたちといっしょに自宅まで押しかけ、先生に問いただされると、無二の親友に罪を着せて言い逃れたという、蜘蛛の糸でもロープでも救われないような体験があるからなあ。あんまり他人ごととばかりは言えないのだ。

今日は何だかいい天気だ。近場に買い物に行って、どこかの喫茶店にこもって今後の計画でも練ろうかな。

写真はちょっと遅れて咲いた水仙。子どものころは、おままごとのとき、この花をちぎって、おもちゃの小さいお皿にのせて、目玉焼きの代わりにしていましたっけ。

Twitter Facebook