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六年生の夏(23)

この日も子ども二人で、時には小学生の私ひとりで風呂焚きをしてるんですよねえ。しかも、火遊びしはじめてるし。このころの大人って本当に勇敢(笑)。それにしても、昔も今も、子どもって思いがけないことするよなあ。イチジク焼いてみようとか。

8月22日  金曜 天候● 起床9時0分 就寝10時20分

図画 形をとる

夕方、庭に出ると伊佐子ちゃんがふろたきをしている。私が来たのを見ると、伊佐子ちゃんは大喜びで火ばさみを渡してちょっと見とってと言って、どっかへ行ってしまった。私はちょいちょいわらくずをはさんでくべながら、待っていたが、いつまで立っても来ない。いやになった。自分一人だと思うと何か、いたずらがしたくなる。伊佐子ちゃんがやけどした鉄ぼうをつかんで火にくべた。そこへ伊佐子ちゃんが来て、鉄を引っぱり出してしまった。私は失望して、いちじくを探しはじめた。四つばかり見つかったのですぐ一つ食べてしまった。二つめを食べようとした時、伊佐子ちゃんが見つけて何をしよるかと言った。「見たらわかるやろう、イチジク食べよるのさ。」「それ、焼いて見ようか。」「いやよ、きっと、ろくな味はしないに決まってるもの。」「いや、やって見んと、そりゃわからんよ。」と言うので、二人でイチジクを焼いて一つずつ食べた。いやな味だった。昔、アメリカで作っていたと言われる、ローソクのおかゆは、おそらく、こんな味だったろう。

「アメリカで作っていたと言われるローソクのおかゆ」は、当時読んでいた童話の中に出てきたのだと思うけど、思い出せそうで思い出せない。それにしても、すごい料理よね。もしかしたら「ツィーゼルちゃん」かな。あれはドイツの童話ですけど。

ちょっと光が入ってしまってますが、田舎の家の廊下で、祖父を中心に私と伊佐子ちゃんと叔母と母。いや、皆、若いです。
 こういう写真撮ってるの、皆、叔父なんですよね多分。だから叔父の写真がめったにないんです。

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カツジ猫