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内田樹さんの記事。

◇昨日書いた、「しんぶん赤旗」に載っていた、思想家の内田樹さんの発言です。

最初に、うちわ問題や政治資金問題で辞任する閣僚がいるのに、ネオナチや在特会と親密な関係にある閣僚が辞任しないのは、おかしな話だと言っておられます。私もそう思っていて、誰もあまりそのことを言わないのがとてもふしぎでした。

朝日新聞の誤報を根拠に慰安婦問題全体をなかったことにしようとあおる政治家やマスコミも、あまりに不誠実、誤報にかかわった記者の在職する大学に脅迫をした者がいたら、脅迫を受けたからと脅迫された側が不利益を受けたのも不条理、右を見ても左を見ても条理や論理がなく、その場の勢いだけで言葉が垂れ流されている、と非常に明確に指摘されています。

そして、このことの元凶は、安部首相や橋下市長が、政治を会社の経営と同一視する「国民国家の株式会社化」にあると、これまた的確な指摘。
会社が倒産して株券が紙くずになるのは懐手で金もうけしようとした出資者の自己責任だが、国や自治体は倒産でおしまいになるのではなく、負の影響は未来の世代にまで続く。「頭が悪いのか悪意なのかわかりませんけれど」彼らは有限責任体としての株式会社モデルに基づいて無限責任体としての国家について語っている。
だから、自分に文句があれば選挙で落せとたんかを切り、失政の被害がどんなに大きくても、次の選挙での落選以上の責任はとる気がないし、再選されたら一切の責任はないという保証を与えられたという理屈を言う。「ふざけたことを言ってはいけない」と内田さんは断じています。

頭が悪いのか悪意なのかどっちかというのは九条の会でもときどき話題になることで、私は「バカと悪意の最悪のコラボ」だと言ったこともあります。どっちか片方だけだったら、まだ何とかなると思うのですが、バカな上に心根も卑しくて冷酷で凶暴となったら本当に救いようがない。

内田さんはさらに言います。対米従属を通じて対米自立を果たすというのが戦後の自民党の基本戦略だった。安部政権は対米従属をさらに徹底させることで対米自立を早めたいという「倒錯した戦略」にシフトした。秘密保護法は米軍の軍事機密を守るため、集団的自衛権容認は米軍の海外軍事行動の支援が目的。しかしアメリカに従属すれば日本が主権を回復できるというのは「彼らの妄想にすぎません」。

政治がここまで劣化しているのに、それを精密に報道し分析できるまともなメディアが存在しない。で、昨日紹介した「赤旗の記事のほうがNHKより偏りがないというのは戦後はじめての事態じゃないか」との語で内田さんは話をしめくくっています。

◇明確で明晰な論点と視点に、ゆがんで曇ったガラスがぶちわられたような爽快感があります。内田さんはもとより共産党をいつも支持しているわけではなく、私自身とも意見がちがうことはあります。しかし、論理や知識や悟性といったものに基づいて行動し、感情や欲望に左右されない人の、いわば人類が積み上げてきた知性と感性の約束事の確認が、ここには示されています。そういう観点から見たときに、今の政治とマスメディアはどのように見えるか。それを確認するために、多くの人々に、この記事を読んでほしいと思います。

◇あ、よそさまのブログですが、ここで全文読めますかね。

http://blog.goo.ne.jp/uo4/e/ae8ce3d69596ec1fa4fd1cfea9703fba

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カツジ猫