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冒険は癖になる。

◇おせち料理も順調にあらかた食べ上げ、あとは数の子と寒天だけが残った。
正月以来お餅しか食べてなかったが、鍋に放りこむとすぐ食べられるので、案外便利がいいなと思い始めていたが、数の子を熱いごはんと食べたかったので、今日初めてごはんを炊いた。安くなっていたアジの刺身も買ってきて、どっさりもらった橙をしぼってかけて、ついでに七草粥がわりに、水菜と豆腐の吸い物も作って食べて満足した。

◇年賀状は明日も何枚か来るかしら。今日になって、ここ数年賀状のやりとりをお断りしている人からの賀状が来て、何だか脱力している。この時期になって来るということは悪いけど、賀状が余って困ったから出したとしか思えないんだけどなあ。本当にやめてほしいよ。

「聖お兄さん」の漫画では、聖母マリアも読んでるらしい(笑)「発言小町」をのぞいて見たら、「断っても賀状が来るのが迷惑だけど何とかならないか」と言ってる人に対して、ほとんどの回答者が神経質すぎるとか、いやな性格とか気が知れないとか言ってあきれていて、これが世間の常識なら、そりゃ「私の賀状を送って迷惑がるなんてそっちがおかしい」という感覚の人も増えるわなあと納得した。ひと昔前というか私の若いころだと、好きな相手にしつこくつきまとって困らせるのは、これすべて愛ゆえの行為だから決して責められないし、迷惑がる方の心が冷たいというのが、わりと世間の雰囲気だった。私はその中でずっと、愛してるからすべてが許されるなんて大間違いだと思いつづけて来たけれど、それは絶対少数派だった。

今はもう、そういう行為はストーカーと皆が呼び、世間的にも認知されない。基本的には、断られても年賀状を送りつづけるのは、それとまったく同じ行為だと私は思うのですけどね。正月早々、自分がお願いしたことを決して聞いてくれない人の「あなたの意志なんんてどうでもいいんです」宣言を見せられて、気分をこわされないわけがない。

◇前にも書いたかもしれないが、私はこういう賀状をもらうと、くみ取りトイレがなくなって水洗になったのが心から残念で、でもそのあとすぐ、こんな腐った精神のハガキは、私の排せつ物を汚すからトイレにも捨てられんわと思いなおすのであった(笑)。

ついでにくだらんこと言うと、私はこうして誰かを拒絶したり、まあ賀状ではそこまでのことではないけど、つきあいをやめたり絶交したりする時には、本当にそれでもいいかと、よくよく自分に問いかけて、たとえば、独裁政権に逮捕されて拷問受けて死ぬしかない時に、亡命の旅券にサインもらうのに、その相手に頭下げなきゃならないかもしれん事態になってもいいのかとか、私の最高に愛する人間や猫が、煮えくり返った油の中にじわじわつけられて殺されそうになってるときに、その相手にたのんで取りやめてもらえるかもしれない場合があるかもしれんけど、それでもかまわんのかとか、考えた上で、よしもうそれでもかまわない、たとえそのために、どんな苦しみ味わって、こいつと縁を切りさえしなかったらこんな目には会わなかったのにと激しく後悔するにしても、それはもうしかたがない、と覚悟を決めてから、別れを告げます。一応そこまで考えて、それでもいいと思ってから私は人を遠ざけます。バカよね、つくづく、我ながら。でもそこまでは考えてやってるんだと思っておいて。

あんなやつが、私の運命にぎるほど、出世したり重要な地位についたりするわけないやん、なんて私は死んでも思わんよ。安倍さんが首相になって、橋下さんが市長や知事になる時代だもの、どんな人だって何にでもなれる可能性がある。そういう意味では私は人を見限らないし、無限の可能性があるっていつも思ってる。
だからまあ皆さんせいぜいがんばってほしい(って何を)。

◇今日もけっこう暖かかった。
書庫の整理をいよいよしようと、何とか片づいていた居間に、書類や資料の箱を持ちこんで、仕分けにかかった。次にお客が来るまでに、絶対持ちこんだ分だけは片づけてしまいたい。
そろそろジムも開いてるだろうから、トレーニングに行かないとと思っているけど、年末に熱海の日金山の山歩きで遭難しかけた(笑)ときのスリルが忘れられなくて、ジムではあんなぞくぞくする危険は味わえないものなあと思ってしまう。うーん、いや本当にレーサーやギャンブラーや闘牛士や登山家の気持ちが、すごくよくわかる。

ちなみに、よく行くお店で、「大冒険をしたつもりだったら、ネットで『よく整備されたハイキングコース』と書かれてて拍子抜けした」と話したら、そこのオーナーが、「山歩きをする人たちの基準って、まるでちがうから、絶対信用しちゃいけません。ハイキングコースったって、私たちが考えるようなもんじゃないもん」と力説しました。「そうよね、きっと鎖にすがって崖を登るとかがないと、楽な道ってことになっちゃうんだよね」と私も賛成しました。
まあこうなったら、家の片づけと論文書きができるかどうかに、スリルは求めるしかないのかな。

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カツジ猫