前につづけて
そうしたら、バッグを押しこんでた押し入れの奥から、ふかふかの大きな立派な室内履きが出てきた。ニュージーランドの商標があって、何十年も前に旅行した時買ったのかもしれないが、まったく記憶にないのが恐ろしい。そして面白半分はいてみたら、暖かいの何のって、身体中がぽかぽかしてくる。もう手放せないじゃなかった足からはなせない。
あと、退職後のパソコンを光にすることにして、その工事を依頼し、ついでに電気屋さんにいろんな工事も頼んだ。さしあたりコピー機は設置してもらって、これで印刷は家でできるようになった。しかもちょうど研究室に印刷会社の人が来たので年賀状は刷ってもらうことにして、はっと気づくと車の車検が27日までで、泡を食ってなじみの工場に飛びこんだら、速攻で二日(ほとんど一日)でしあげてくれ、賀状の印刷もものすごい早さで仕上がってきた。不景気で皆時間に余裕があるんだろうかと失礼なことをちょっと考えたぐらいだ。それとも、そういうできる仕事をするから、ちゃんとこの不況の中でもやっていけておられるんだろうか。
ともかくそういう方々のおかげで助かって、猫の首輪など買っていられる。
この間、少しうれしかったのは、まだまだ散らかっているとはいえ、夏休みに大いに片づけたおかげで、家の中に人をどうにか入れられるようになり、業者の方々何人かが、玄関の様子をほめて下さったことだ。普通の意味ではきれいでもないし、ぜいたくなものも何もないが、亡きキャラメル猫の写真や、好きな絵などを実に非常識にレイアウトした「異空間」にしあがっている。私は満足して楽しんでいるのだが、他人も興味を持ってくれると、それはそれで気分がいい。
明日は紀行の論文の校正をしながら、年賀状を書いてしまおう。しかし論文や校正は楽しくてたまらないが、恐ろしいほど時間がかかる。これから死ぬまで死ぬほど仕事をしても、やりたいことの半分どころか三分の一もできまいなと、別にいやでもないが、ただの事実として実感する。
本当に、人とつきあってる暇はない。ましてや愚痴を言ってる暇はない。
そんなわけで皆さま、ひょっとしたら年内はこれきりかもです。どうぞよいお年を、来年もよろしく。(さすがにちょっと早いかな。)