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咲き誇る花たち

庭で咲き誇っていたユキヤナギは本当に雪の積もるように他の木の上にもかかっています。
 毎年見事だったのですが、去年ヤブガラシとかいう蔓草がしぶとくはびこってまつわりつき、かっとなったワタクシは、絡みつく蔓草もろとも、ユキヤナギをつんつんに刈り込みました。もうこれで数年は復活しないなと思いながら。それでも蔓草を許すか!って感じで。

どーでもいいが、私、人生でもこうなのよね。いやな人でもモノでも、好きな人やモノのためにがまんしようって気がまるでない。どんなに好きなことでも人でも、それを口実にやなものがくっついて来ると、どんなにつらくても切り捨てる。まあ個人的な案件に限られますけどさ(笑)。政治とか仕事とかじゃもちろんこうじゃない。

で、ユキヤナギはここ数年あきらめることにして、かわりにラナンキュラスの赤いのをいっぱい植えました。あれ多年草のはずなのに、今年はかげもかたちも見えない。お隣の方が「あんなにきれいだったのに」と惜しんで嘆いて下さるぐらい、すばらしかったのにねえ。

そのかわり、ユキヤナギですよ。ものすごい勢いで、これまで以上に真っ白い花を広げました。実は別の一角にもユキヤナギはあって、ほそぼそと咲いてるのですけど、同じ木とは思えないものすごさ。どうやらヤブガラシの蔓草がなくなった分、勢いづいているのかしら。ラナンキュラスの種の養分もひょっとして吸い上げちゃったのかしら。

そして、毎日うっとり見ていたら、何と今日はもう、緑の葉がまじりはじめて、純白が薄れはじめています。これはこれできれいなんですけど。

それからスノードロップはたった一輪花が見えて、あとは葉っぱばかりだったのに、いきなり星のように白い花が満開になりました。やるときゃやるな。そう言えば、ラベンダーも一輪だけ花がついて、あとはさっぱりなので、このすきに刈り込んで植え替えてやろうと思っていたら、何と今朝見たら、もうあちこちにつぼみが。あのー、これ咲きだしたら最後夏まで満開になるので、とっても刈り込む勇気は出ないのよね。下手すりゃ今年はもっと広がって、そっちの方向からは通れなくなるかもしれない。ああ、負けた、と頭を抱えてます。

古いモノクロ映画の「ハムレット」のDVDちびちび見てます。あれー、昔映画館で見たときのことは忘れてたけど、これって、かの有名な脇役「ローゼンクランツとギルデンスターン」のエピソードばっさりはしょって、二人は登場もしないんだ。かわいそうに。
 でも言いかえればカットしても全然困らないのよね、この話。本当の脇役。これを主役にすることを思いついたトム・ストッパードはさすがにすごいわ。

この映画はハムレットを「あれこれ悩んで行動できない人の悲劇」というようにとらえていて、私はハムレットをそうだとは決して思わないのだけど、(だって城壁の上の父のユーレイのことばを即座にまるごと信じたら、そっちの方がヤバいっしょ)でもこのまとめかたは、たしかにすっきりしていてわかりやすくて無駄がない。初心者のお勉強にはそういう点ではいいかもしれない。でもそうやって学生時代に見た私、あんまり覚えてないからなあ(笑)。

「古事記伝」ちびちび読んでるけど、いろいろ面白い。宣長は諸悪の根源は「黄泉の国の穢れ」で「マガツミ」だって考えているみたい。だから、アマテラスやツクヨミとちがってスサノオは黄泉の国の穢れを払拭できてないから、いろんな暴挙に及ぶということらしい。前に書いたけど、目で見た汚れより、鼻で嗅いだ汚れは根が深いってことかな。あちこち、かなり強引で思いつきみたいな気もするけど、そこがまた楽しい。

タカマガハラやその他の国の位置なんかについても考えてくれている。あっさりそれを京都や大和にあてはめるのはまちがいで、そういう国は実在するのじゃなくて、どこかにあると考えるのがいいらしい。そういう解釈もいちいち楽しい。人が精魂傾けて書いた本をこうやって流し読みして楽しむのは、申し訳ないけど、でも、こういう読み方も悪くない。

WBCだの大相撲だの高校野球だの、いろんなものがいっぺんに始まってこっちも花が咲いたよう。片耳で聞いて楽しむのに忙しい。
 「こんなことばかりテレビで報道して、政治から目をそらせる!」って怒ってる人も多いし、それももっともとも思うけど、でも、オリンピックに比べりゃ、政府関係のもうけ話や汚職や利権がからんでないだけまだよっぽどましだし、何より私は相撲や野球を見るたびに、母から聞いた「戦死した野球選手たち」のことや、「東京大空襲で焼け死んだ松浦潟ってきれいなお相撲さん」の話を思い出し、六大学野球をこよなく愛した母が、戦死した好きな選手の名をあげては、「あの人たちが死んだってだけでも、私は絶対戦争を許さない」と言ってたのがよみがえり、野球場見ても土俵を見ても、防衛費や政府への怒りがめらめら新たに燃え上がるから、個人的にはその点は全く心配ない。ユニホーム姿の若者たちの躍動や、たくましい力士たちのぶつかり合いを見てるだけでも、戦争と、それを許す者たちへの怒りがどんどんよみがえって困るぐらいです。

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カツジ猫