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土泥棒

またしても、朝から猛暑、今日も吸血鬼生活になりそうだ。
昨日、無理やり引っ張り上げて、紐にからめた朝顔が窓から見るとしおれているようで気になって、水まきかたがたチェックしに行った。まあ大丈夫そうだったが、ついでに回りの雑草も、ちょっととった。

水をまきながらの草むしりは、難しいけど面白い。手や足が汚れてもホースの水で即洗えるし。しかし長いこと放っておいて、伸び放題にしていた雑草は、なかなかしぶとく、特に鉢の中に生えたのは、抜くときに根っこの土も、ごっそりつけて持って行くのが、何か腹立つ。土だってお金を出して買ってるんだぞう。
まあ雑草にして見れば、同じ植物なのに、なぜ自分たちだけ排除されるんだと思うのかもしれないが。中国の程明道だったかしら、雑草が伸びても生命を愛して放っておかせた哲学者は。

ご近所からいただいたきゅうりはみずみずしく、トマトはお菓子のように甘い。どっさりいただいた大分県の高級しいたけもあるし、うれしいな。
あまり買い物もないけど、スーパーに行ったら、もうお盆のお供えの、ミニお菓子が出ていた。例年かわいいので、つい買うのだが、小さな竹籠に入っていたり、作り物のほおずきとかが飾ってあったりすると、後でつい、捨てられずに困るので、慎重に見て、そういうのが何もついていない、金魚の模様の水色の、うちわのかたちをしたのを選んだ。仏壇と、曾祖母の写真の前に飾るので二つ買ったが、母と父の写真の前に置くのに、もうひとつ買って来ておくかな。

故郷の共産党の方が、「断捨離狂騒曲」の感想を送ってくれた。母や田舎の家をよく知っておられる方なので、また他の方とはちがった楽しみ方をしていただいたのではないかと思ってうれしい。でも、「弁証法的に展開する世界に引き込まれました」と書いて下さったのには、さすがと笑った。農村の片隅で、皆さんのいやっというほど身近な問題に日夜、市会議員として走り回っておられたのに、勉強も読書も怠らない方だった。国会議員はもちろん、小さな市の市会議員でも、共産党の人は皆、一見庶民的に見えても、こういう知識人が多い。

母がよく「共産党の人はお金がないから、赤旗とか見てごらん、議員の人たちの趣味ってたいがい、読書と散歩だから」と、ほめてるのか失礼なのかわからないことを言っていた。私はよく、どこかで読んだような気もするが、「えらくなる人は大抵、長い病気療養か刑務所生活をしていて、その間に思索や読書で自分を深める」と学生たちに言っていたけど、一応自由で、まじめに仕事をしていても、質素で趣味や娯楽に時間や金を使う余裕がなかったら、同じようなことになるのかもしれない。

手紙に同封して下さった、母が応援した選挙戦のチラシの経歴を拝見すると、ご両親は「共産党にだけはなるな」と子どもの時から言って聞かせておられたとか。山下芳生さんと同じだなと、それも笑った。考古学が大の趣味で、議員を後継者にゆずって引退されたこれからは、そちらに打ち込みたいとのことで、よかったなとしみじみ思う。こういう方々とともに母が最後の日々を過ごせたことは、何より幸せなことだった。

また同じハガキで恐縮ですが、今度は日付を入れてみました。うふ。

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カツジ猫