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朝顔と吸血鬼

曇っているけどむし暑い。この家は立派な大工さんが建ててくれて、気密性はめちゃくちゃいいのだけど、それでも外気を少しでも遮ろうとカーテンを閉めて、灯りをつけて、吸血鬼のように暮らしている。そう言えば、大昔に買った、しょうもない絵葉書が余っているので、友人たちに出して断捨離の一環にしていたんだった。

この絵葉書の吸血鬼は、口のはしからキバがのぞいている。うちのカツジ猫も実は同じように小さく両端からとんがったキバが見えている。しっかり口を閉じていると見えないときもあるが、どうかするとのぞいている。歯並びが悪いのかもしれないし、微妙に食べるのが下手なのも、そのせいなのかもしれないけど、見た目には妙に愛嬌があってかわいいのよこれが。でもきっと品評会なんかではマイナス点になるのかもなあ。

今は気持ちよさそうにベッドにのびて寝こけている。私がときどき、いたずらして、こねまわすと、めんどうくさそうにかみついてくる。

庭を放りっぱなしにしている間に、どこからともなく朝顔がのびた。いや多分朝顔だろう。今年は去年の種を収穫して植える暇がなくて、いつもならひっこぬく、いやらしいほど鮮やかな色のイリオモテアサガオだかチョウセンアサガオだかがはびこっているのを、今年はこれで我慢しとくか、まあこれも見慣れると悪くないなと思って見ていたのだが、どうやら本当の朝顔もどこかに生えてきていたらしい。

気づいたときには、相手にしてやらなかったので、ふてくさったのか、アジサイや野ばらの上におおいかぶさって、ものすごいことになっていた。他の鉢植えの花も全然見えない。遅まきながら今朝、そのへんの園芸用の紐を柵の間にはりめぐらせて、ひとかかえもあるほどに、はびこって、わだかまって、かたまりになってたつるを、持ち上げて、無理にからめて見たが、どうなることかいな。ちゃんとこまめに手入れしている人には絶対に味わえないガーデニングの妙味ではある。

しかし、まだ花は咲いていないのだよな。どんな色ので、どうなるかもまったくわからない。今、窓からのぞいて見たら、何か知らんが、一応まだ、紐にからみついてはいるようだ。

昨日締切の原稿は、今日の明け方にやっとしあげた。古くなりかけてた豚肉とじゃがいもと人参を炒めて煮たら、ものすごくおいしくて、満足した。ご近所からまたいっぱい、新鮮なぴかぴか光るきゅうりとトマトをもらったし、田舎の人から上等のしいたけは送ってきたし、食生活もしばらくは安泰かな。

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カツジ猫