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大工さんと都知事選

※毎日寒いですね。
私の実家の管理を御任せして居る大工の棟梁は、腕は勿論一流の上、今どき珍しい無口で頼もしい昔風の男性です。設計士の息子さんもしっかりした好青年ですが、棟梁は「二人で居ても別に話す事も無い」と言って居るのが、それも昔風で微笑ましいです。

棟梁はそういう人ですから、皆の信頼も篤く、地元の人達の借金問題の相談に乗ったり解決に手を貸したりして居ます。今、都知事選の候補者に成って居る宇都宮さんとも古い知合いで、「自分も最初は借りた金は返すもんだろうと思って居た。サラ金から借りた金を返さなくていい等と考えられなかったから宇都宮さんの話を最初に聞いた時はびっくりした」「近所の人の相談に乗って借金問題を解決すると、『本当にもう死のうと思って居た』と感謝される事が良くある」と話して居ました。
実家の辺りは長閑な農村です。其処でそれですから全国ではどれだけサラ金からの借金に苦しんで居た人、死を選んだ人が居たかと思います。

「宇都宮さんも最初はこんなに早く『返さないでいい』と言う事が認められるとは思ってなかったと言ってたなあ」と大工さんは言って居ました。其れでも何十年かはかかった訳ですが、宇都宮さん自身が長期戦を覚悟して居たどころか、命が無くなるのも覚悟して居たそうです。「サラ金業者や暴力団にきっと殺されるだろうと思いながらやっていたって言ってた」と大工さんは話して居ました。

「変われば変わる物よねえ。今は電車の中の広告でも、ラジオのCMでも、何時も『返しすぎた御金は戻って来ます』って、色んな事務所や弁護士が宣伝して居るよ」と私が言いますと、大工さんは喜ぶと思いきや苦々しげに「宇都宮さんがあんなに命懸けでやって作った法律を、今は当り前みたいに平気で使って誰も彼も金儲けしてるから、腹立つなあ。いい気なもんだ」と口惜しそうに言って居ました。その気持も分るので、ちょっと笑って仕舞いました。

都知事選が始まってからは大工さんとはまだ話す機会が有りません。一人の弁護士に過ぎなかった時に、命を懸けてサラ金から沢山の人を救った人の実績はもっと知られていいのにと思います。大工さんは怒って居ましたが様々な事務所や弁護士を介して救われた人達にも、今のように法律を変えたのが宇都宮さんの活動であることを知って欲しいと願わずにいられません。

※じゅうばこさん

「マスター・アンド・コマンダー」の男の世界、「小さいおうち」の女の世界、どちらも戦時下の其れを等身大に愛情込めて描くのは難しいのでしょうね。現代の眼で歪曲しないで、当時の人の心の儘に描き出すと言う事は。

※少し前から実家にまた若い雌猫が住むようになりました。庭に眠るモモちゃんやみかん君の魂が守ってくれる事を祈って居ます。

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カツジ猫