大胆な解釈を二つ(でも多分正しい)。
◇本棚のすみにあった、「宇佐海軍航空隊始末記」を、ぼちぼち読んでる。実家の近くに合った航空基地で、この本も母に見せようと思って買ったのだったと思う。先日見つかって、ここにも書いた特攻隊員の方の手帳のこともあって、いろんなことが実感を持って伝わって来た。
ただ、こうして出撃前後のことをいろいろ読むと、いつも思うことをまた思うが、特攻隊ってまったく自爆テロだよね、あらためて言うまでもなく。
イスラムはじめ、さまざまな国や組織の過激派の人たちが、テロを計画し決意し実行するまでの心理や状況は、こういうものだったのだろうかと、つい想像してしまう。
あれだけ、テロは許せない、自爆テロは悪と、頭から決めつけて、それを前提に報道したり議論したりする今の日本で、特攻隊の人たちの心理や行動には親近感や共感を抱いて涙するという、その精神構造だか社会構造だかが、私にはどうしてもわからないのです。この特攻隊員たちの気持ちがわかるのなら、イスラム過激派の自爆テロする人たちの気持ちもわかってやれよ。賛成反対は二の次として。
◇庭の水仙が咲き乱れています。あまり誰からも見えないような、家の角っこの一群が、一番勢いよく咲いているのが、ちょっとくやしい(笑)。
ここの花は、もうかなり茎が長く背が高い。母が「水仙は一年ずつ背が高くなるから、どのくらい長くそこに咲いていたか、すぐわかる」と言っていたのを思い出します。
◇レンタルショップで、「ミラーズ・クロッシング」のDVDが新作で安売りで出ていたので、買って来ました。もう何度も見てるのですが、さっきちょっと見始めたら、もう音楽と言い色彩といい、俳優たちといい、スタイリッシュやなあ。主演のガブリエル・バーンもマーシャ・ゲイ・ハーデン(「ミスト」の恐い宗教家おばさんやった人)も好きなんですが、こっちが年とったせいか、アルバート・フィニーの大ボスが素敵だなあ。そしてマーシャは、これが映画デビュー第一作だったのか。信じられんほどの貫禄。
これってギャング界のアーサー王物語だと、見るたび思うんですが、ランスロットとアーサー王の関係がこんなんだったら面白いなあとか、よからぬ妄想をしてしまう。だって男二人どう見てもマーシャより、おたがいのこと好きでしょう(笑)。そういう三角関係の映画なんだよね、これって多分。
バーン演じるトムは、ほんっとに扱いにくい男ですけど、いるんだよねえこういう男。非力でプライド高くて、頭よくって変に純粋で、意地っ張りで誤解されやすくて弁解下手で、って、あらうちのカツジ猫じゃん(笑)。
ヤフーの映画評見たら、「トムの人格がわからない」って低い点数が多いけど、だからこれって、三角関係の映画で、女はわりとどうでもいい男同士の愛という話なんだってば。そう思って見たら、トムなんてもう、わかり過ぎる。でも誰もわからないみたいだから、それだけトムの隠し方がうまいんだよねきっと。
私の腐女子的妄想と言うなら、バーンの無駄に色っぽい雰囲気(この人、こういうのが演技なのか地なのかよくわかりませんが)をおいといても、ボスが彼に手こずって「女より扱いにくい」と叫ぶキーワードまでちゃんとあるのを、どうしてくれる(笑)。トムの態度はボスがつまらん女に熱上げてる嫉妬だし、あの二人の場面は、おおむねほとんど痴話げんかじゃないか、どう見ても。