後がない
十月もそろそろ終わる。いろんな予定をかなりこなしたつもりだが、ある意味一番重要だった、国文学の研究体制をまだ全然確立していない。あせってしまう。今日中に、送っていただいたまま返事もしていない本の感想を三冊ぐらい書いちまうと言うのは、いくら何でも無茶かしら。
小久保監督や日本シリーズの話をしていて思い出したが、ホークスの戦力外選手が大量に出て、まだまだ有望なのにとネットで話題になっている。この中で上林誠知選手は私が初めてヤフオクドームに行って、ナマのプロ野球を見たときに、すぐ前でライトを守っていたし、その後のニュースをチラ見していても、いい印象しかなかったから、今後もどこかで活躍してくれたらいいなと思っている。ただし、本人にはまったく関係ないのだけど、ネットでファンが実況中継しているとき、なぜかこの人のファンは、打ってほしいというエールに、女性の出産のときのかけ声を使うことがよくあって、これがどうしても好きになれなかった。それが昂じて、彼が登場すると、本当に彼のせいではないのに、何だかうんざりするようになった。最近ではこのエールは見ないような気がするが、しょうもない声援はかえって人気を下げることにもなりかねないと、自戒もこめて、つくづく思う。
もうひとりの高橋純平選手についても、これまた本人とは関係ない、しょうもない記憶があって、たしか前回の優勝の際のハワイ旅行で、甲斐野、周東、高橋礼の三選手が、女性たちの人気投票(そんなに多い人数じゃない)の結果を聞きたがってた時にアナウンサーが順位を教えた後で、「でも、この質問をされた時に『高橋純平くんはいないんですか。じゃあ、その三人の中だったら』みたいな回答をした女性がそこそこいた」と、わざわざ教えて、三人ががっくりしていて、見てて大笑いしたのを思い出す。当時はそれほど人気があったし、たしかに魅力的な選手だった。こちらもまだまだ活躍してほしいものだ。
うんざりしながら国会中継を、ついつい毎日聞いている。あのさ、私って経済関係には自慢じゃないがまーーーったくド素人ですから、何一つわからないんですが、今、物価が上がったと言って大問題になっているのが、さっぱり解せない。だって、これ、政府や財界や専門家が、めざしてたことじゃないの? 数年前から「物価を上げなきゃいけない」「物価があがった、めでたい、よかった」みたいな報道ばっかりされてたから、私は何が何だかわからず、物価なんて下がるのをめざすしかないんじゃないかと首をかしげ、何かきっと私にはわからない事情があって、よい結果や世の中が生まれるんだろうと思っていた。いくら政府を信用しないと言っても、あれだけ全国で皆が言いまくってたんだから、何かの成算はあるんだろうと思ってたのよ、いくら何でも。
物価が上がれば普通の庶民の生活は苦しくなるし、そうなったら当然誰もものを買わなくなる。そのくらいのこと、サルでもネコでもゴキブリでもわかる予測じゃないかいな。それが起こらないような対策やら計算やら予測やらは、とっくにしていた上で、物価を上げようとしてたんじゃなかったんかい。今さらあわてて、物価高を政治問題にして大騒ぎしてるのが、まったくもう信じられない。インフレがどうのデフレがどうのとややこしいこと言って皆を煙に巻くのもいいけど、こんな状態が起こって困ったことになるのがだいたい変だろ。政府も日銀も、今のこれはめざしてた結果じゃないのかい。喜べよ、ほらほら。と意地悪を言いたくなってしまう。
何がいけなかったのか、どこが計算違いだったのか、それを説明してくれる人も誰もいない。いるけどきっと、テレビにもラジオにも出してもらえないんだろう。新聞にも週刊誌にも書かせてもらえないんだろう。世も末だ。
彼岸花が枯れたあと、いつものように濃い緑色の葉っぱが伸び始めて、これがあいかわらず元気な千日紅の鉢のいいふちどりになっている。千日紅は絶対来年また育てるぞ。すごく気に入ってしまった。