映画「トランスフォーマー」感想。
…ってほどでもない雑談(笑)。
上映が今にも終わりそうだったんで、急いで見てきました。全然時間はせまってなかったのに、行く途中で検問にひっかかって12000円罰金とられたのは、きっとメガトロンの呪いやろ。
ちなみに私は、高速で昔、死ぬ気かというほどぶっとばしていたんですが、そういうときはパトカーにつかまったためしがなく、これまで数回ひっかかったのは、今日もふくめて、いつも40キロ制限のとこを56キロで走ってたとか、そんなんばっかり。何となく、私の末路を象徴してるような。強敵や怪物はばったばった倒して、あげくにちんぴらとのけんかで殺されるとか。
映画はもうどうせ、中身はどーでもいいんだろと、たかをくくっていたせいで、けっこう楽しめました。あのあやしげな転移装置は、元の、昔のアニメにちゃんと出ていたやつなんで、なつかしいというか、荒唐無稽のきわみでも、金かけて映像化すれば立派な映像になるんやなあ、と簡単しきり。
スジなんか、どうでもいいといいかげんに見ていると、ひときわよくわかるのが、登場するロボットたち、金属機械生命体の動きの何とも言えない美しさ。青空をバックに彼らが舞い、戦う情景は、まるで騎士物語や軍記物の絵巻を見ているようでした。
しかし、荒削りながらも、深刻な民族?問題やかつての同志や裏切りも、どっしり描きこまれていて、死ぬほどばかばかしい話なのに、どこか悲壮で高貴で、格調高いのも不思議です。これはオプティマスの存在のせいなのかな、やっぱり。
今回はオプティマスが、あんまりしゃべらないので、ますますそう見えるのがいいのかもしれない。私はたいていの人と同様、「1」が最高に好きですが、「2」だと、オプティマスがしゃべりすぎ、意見をはっきり言いすぎで、かえって浅くつまんなく見えそうになる。今回は影が少し薄いのかもしれないけど、その方が魅力的だわ、この人(じゃないか)。
しかしねー、チェルノブイリも月面着陸もネタにしてしまうたくましさには、笑いつつ感動さえしますが、チェルノブイリへの立ち入り風景など、これ、震災直後なら絶対公開中止だったんじゃないかと思ってしまいます。最後の市街戦はもういっそ、いつものお祭り騒ぎであんまり現実味がないかもしれないけど、最初の方の荒廃した事故現場なんか、警戒区域を連想すると、ものすごく気がめいる、どうしても。
主役(かどうかわからんけど)のサムは、あいかわらずきゃーきゃーひーひー叫んでばかりで、君はヒロインかと言いたくなるぐらいですが、まあそうなんだろうな。
ミカエラがいなくなったのは淋しいけど、いてもあんまり出番はなかったから、消え時だったかもしれない。新しい彼女もがんばってたけど、大きな仕事も最後にゃするけど、やっぱり、あまりにもそれまでに「あんた何でそこにいるん? 戦闘員でもないのに」な場面が多すぎるよなー。彼女に花を持たせるおかげで、メガトロンはひったすらアホに見えてしまうし。
あ、社長役のマルコヴィッチと、政府の何とか長官のフランシス何とかさんの演技力と迫力はさすが。ぜいたくな配役だった。
まー、やっぱり映画館で見る映画だよなー、これは。単純だけど骨太な古典劇(なんかこう、話の持って行き方のむちゃくちゃさや、根底にある思想のまっとうな健全さなんかのせいか、このシリーズって、シェイクスピア劇や歌舞伎を連想しちゃうのよ、受ける感じが何となく。ぐちゃぐちゃで、わかりにくい部分もあるけど、パワーで押し切るとこも)と、航空ショー(見たことないけど)を、いっぺんに見られる楽しさがある。