映画「ハンナ・アーレント」
◇ナチスのアイヒマン裁判を傍聴して報道したら、「ナチ女」とののしられて、それでも自説を曲げなかった女性哲学者の映画を見てきました。力強くて面白かったです。
彼女の書いたものは、もちろんアイヒマンを弁護しているのではなく、「彼は事務的に人殺しをして、思考を停止していたのであって、そこが一番問題だった」みたいな内容なんですが、それが彼女の親友たちも含めたユダヤ人の学者や市民には許せなかったということで、(あ、もひとつ、当時のユダヤの指導者が結果としてはナチスに協力してしまった面もあるという指摘をしたことも)たしかに、そのへんは限りなく微妙なんだと思います。その時点では、特に。彼女の先生のハイデッガーがナチに協力したとして批判されたのであったという事情があるなら、なおのこと。
彼女の力強さと、それゆえの余裕ある落ちつきが胸にしみます。かけてもいいですけど、私だったら、自分を攻撃し批判する友人たちに、アホかあんたらは、その姿勢ナチスと同罪じゃ、そんなのが新しいナチスを生むんじゃと、どなり散らかして即絶交するわ。彼女みたいに煙草を静かにくゆらして、じっと耐えたりなんかするもんか。
思考すること、説明すること、言葉や思惟の強さや貴さがずしんと伝わる映画です。皆さまぜひ見て下さい。何か昨今の世の中見てると別世界か別次元のような、「ことばの重さ」「考えの重さ」にうたれつくしますが。
◇DVDで新しく「ベン・ハー」のドラマが作られていたので、借りてきました。まだ最初しか見てませんが、ベン・ハーもメッサラも、ほっそりした少年なのが、原作通りでいいです。しかも、青年になってからのベン・ハー役の人が、どこかちょこっとだけ、チャールトン・ヘストンに似てるのが、よう選んだなあと笑えます。
◇キャラママさん。
安倍首相が「原発の再稼働はもっと抵抗が大きいだろう」とか言ってるのを見ると、それもやる気ですね。自分でももう先が見えなくなってるんじゃないのかしらん。
そろそろ自民党の中からももうちょっとまともな人の反対が出て来ていいころじゃないかと思うのですが、このままでは、日本か自民党かどっちかが滅びますよきっと。