映画を見に行くヒマもない。
あ、カツジ君。こんにちわ。
キャラママさんのベッドをついに確保したのか。よかったねー。
でも、シナモン嬢には「さん」をつけた方がいいよ。
「おばさん」はやめときなさいね。「おねえさん」もみえみえすぎる。
キャラママさん。
私もなんですよー、見たい映画がいっぱいかかってるというのに、かたっぱしから見のがしてる。
おかげで頭と心のどっかが石化して、そのうちこっからガンになるんじゃないかと心配なぐらい、自分が精神的にどんどん死んで行きます(大げさな)。
せめてと思って、「情けあるおのこ」のテーマで軍記物読んでる(らしい)ゆきうさぎさんを援護射撃しようと、「ウィルヘルム・テル」の作者シラーの他の作品を読んでみました。
これがさー、読もうにもそもそも本がないんでやんの。シラーって、シラーに限らず古典って、ほんっと人気ないのかなあ。「テル」とか絶対おもしろいから、新訳ほしいのになー。ドイツ語なんかわからなくても、旧訳もとに私が書こうか(おい)。
図書館から借りた、前はいつ誰が読んだんだってみたいなボロい本で、まず「群盗」を読みました。大昔にひょっとして読んだかもしれないけど、なにひとつ思い出さないから、多分読んでないと思う。
そしてなんかもうこれ、すごい話で展開で、まだ「テル」や同じドイツなら「アルト・ハイデルベルク」とかは、今でも通用するけど、これはもう、いろいろと、あまりにも登場人物の考えや行動が、熱っぽくて度はずれで、今とかけはなれてて、エイリアンかと思うほどでした。
あっちこっち、シェイクスピアっぽいとこがあると思ってたら、シラーは読んで影響受けてるんですね。それにしてはシェイクスピアは今読んでも、さほど違和感ないのはどういうことだ。
それと、盗賊のリーダーが仲間に「おまえはロビン・フッドの話を読んで影響されたのか」と言う場面があって、ロビン・フッド伝説の根強さを、とんだところで思い知りました。
もうね、死んだはずの人が、あんまりだって展開で生きてたかと思うと、終盤ばたばた人が死ぬし、え、この人はどういう役割なんだ、そういう役割なのか、こういう役割になるのか、結局何なんだとか、もう予想も何もつかないところがかえって面白い。変な熱気だけはやたらとあるし。
しかも、最初に上演されたとき、大人気だったんだって。わ、わからん。何がそんなによかったんだろう。
うーん、これに比べたら、やっぱり「テル」は今風でかつ名作だなー。
そして、テルと「群盗」のカールをはじめとした人物像が全然似てないというのも、これはこれで作者の才能なんかなあ。