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暴れ鯉

宗像では、今日は記録的な強風だったらしい。朝、外に出たら庭の鉢がいくつかひっくり返っていた。そして、月末までおいとくことにした鯉のぼりが、勢いよく泳ぎまくっていた。

飼い猫が男子なので、この小さい鯉のぼりを衝動買いしてから、ひょっとしたらもう十年近いかもしれない。毎年せっせと立ててやっているが、だんだん体力がなくなって来てめんどうになり、でもその分毎年立てるから、手際もよくなって来て、結局例年ぶつくさ言いながら設置してやっていた。時々、断捨離で、どこかに寄付したろかと思ったりしたが、猫のお下がりを人にさしあげるわけにも行くまいと、そのたびに思いとどまっていた。

今年はとりわけ忙しく、ぎりぎりになって立てた。めんどうくさかったから、例年とちがう玄関のすぐ横にしばりつけておいた。そうしたら、ここはどうやら、風の通り道だったらしい。これまでになく鯉のぼりがよく泳ぐ。

特に今朝は、強風のせいで、みごとに鯉のぼりも吹き流しも宙に舞っていた。見ているだけでわくわくした。私は男に生まれたかったと思ったことは一度もないが、鯉のぼりだけは文句なしに好きでたまらなかったから、見ているといつも胸が躍った。日本に生まれてよかったと思ったことも一度もないが、鯉のぼりを見ることのできる場所に生まれたのは幸運だとときどき運命に感謝した。

近所のお宅が大きな鯉のぼりを上げるのをひそかに楽しんでいたが、子どもさんも大きくなりご主人も亡くなられて、もうこのごろはまったく見ない。
 いつも、ひそかに思うのだが、鯉のぼりは日本もいいが、砂漠や地中海や大平原でも、絶対にばっちり似合うと思う。そして米国の人などはきっと大好きだと思う。輸出したら相当に外貨をかせげるのとちがうか。いやマジで。

そんなことを、今朝わが家の小さな鯉のぼりが派手に空中をのたくっているのを見ているだけで心が躍り、はしたなくもスマホで数十枚も写真を撮ってしまいながら考えていた。

恥ずかしながら自画自賛すると、どの写真も実にいいのだが、精選(笑)したものを、少しだけ(でもないか)ご紹介します。

思えば、この鯉のぼりがうちに来てから、こんなにのびのび、めいっぱい派手に泳いだのは初めてだ。うれしくて、誇らしくて、彼らのためにも祝ってやりたかった。今週いっぱい忙しいので、来週にはとりこむが、これだけ風の中で暴れまわる勇姿をたっぷり見られただけでも大満足だ。

そんなことして遊んでいたから、仕事がさっぱり片づいてない。もう夜中近いけど、もうひとがんばりしなければ。プーチンやネタニヤフやマイナカードの悪口とかも書きたいことは山ほどあるが、それももう明日にしよう。

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カツジ猫