朴斎道也の「松島紀行」
「松島紀行」は、なかなか面白い。筑波山に登山したりして、今まだ真岡付近だから先は長いが。この紀行の他であまり見ない特徴は、途中で道を聞いてどこどこまで何里と言われて、しばらく進んでまた聞くと、言われた距離がちがっていて、あわてる場合が多いこと。ありそうなことのわりには、これまであまりこういう記事は見なかった。それで、宿に泊まれなくて、道連れになった貧しい農夫の家に泊めて貰って、つつましいながら歓待されたりしている。
でも、こうまで面白いと、もうすでにどこかで誰かが翻刻紹介していそうな気もするなあ。
京大不正受験は予備校生が逮捕されたようだ。ネットに問題を投稿したのが本人か誰かまだわからないが、やっぱりよくわからない事件だなあ。つきとめられる可能性が限りなく高いネットへの投稿など、そのセキュリティ感覚が信じられない。世間はIT社会が進んだから時代が変わったから、その先端のような犯罪といった言い方をするが、私にはむしろ使っている道具が新しいだけで(まあそこが大切なのかもしれないが)、穴居人もどきに原始的な犯罪にしか思えない。
それにしても、例によってテレビの報道も適当で、全国版のどこかの局のニュースかワイドショーでは「この事件によって大学の対応も変わりました」といった説明で、ノートルダム大学かどこかの試験会場を取材して、監督官が「携帯電話はカバンにしまって下さい。もし鳴ったら持ち主の了承を得ずに監督官が教室の外に持ち出します」と受験生に注意をしている映像を流していた。しかし、そのアナウンスはもうこのところ何年も、ひょっとしたら10年近く全国の大学でやっている注意だぞ。私も在職中何度しゃべったかわからない。一事が万事こうかと思うと、自分の知らない世界に関する報道も、まったく信用できないとつくづく思う。
今日は病院にコレステロールの検査に行った。人間ドックで150以上あった悪玉コレステロールを一気に120台に下げて、医者から感心された。それで少し安心して、キャラメル猫の命日に、彼が好きだったチーズケーキとショートケーキを買ってきていたのを、今の猫たちとわけあって食べた。