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栄枯盛衰

久しぶりに街に出て、いろいろバカな買い物をした。どこの店でも若い店員が男女とも感じがよくて親切で有能そうで、京都アニメーションで亡くなった若い人たちもこういう人たちだったのかと思うと変に悲しかった。こんなにいつも、がんばって明るくけなげに生きてると、それに疲れたりそれができなかったりした人は、加害者の方に回ったりすることもあるのかと思うと、またそれもつらかった。

おかずを買いこみ過ぎて、家でごはんを食べないといけないので、せっかく町に出たのだからとレストランに入ったが、食べるわけに行かないから、噂のタピオカをプレーンとマンゴーと二つたてつづけに食べて(あれは飲んで、かな)、時間をつぶして、くつろいだ。髪をまとめるゴムのお洒落なのがあったから、色違いを二つ買った。リボンのかたちをして、ヤギの皮だそうで、やわらかい。でも、雨が降ったら、ちとヤバいかな。

このレストランだか喫茶店だかは、天神のど真ん中のビルの上にあるのに、昼間に行くせいか、いつも空いてて、ねばれるし、わりと安くて、ドリンクバーもあって、私のような人間にはとても使い勝手がいい。ランチもパンケーキも悪くない。そこで今後のいろいろな計画をじっくり立てて、引き上げた。

カーラジオで聞いていたら、ホークスがロッテに勝っていた。このところ負けが多かったが、何だかホークスのファンはのどかで、2ちゃんねるのスレッドを見ても、あまり殺気立ってなくて、少し前には柳田がなかなか復帰して来ないのを嘆きながら、「あれはもうファンが空想で作った実在しない架空の選手だったのかもしれない」と、言い合ってたのが死ぬほどおかしかった。

私は特に野球ファンでもなく、もっぱら地元のカーラジオがホークス情報流しまくるから、いやでも選手を覚えたのだが、それでも長く聞いていると、栄枯盛衰をしみじみ感じる時がある。最近惜しまれながら引退した摂津が、まだ新人で、あれいつの間に先発やるようになったんだろうと思ったりしたころもあったし、千賀が出てきたばかりのころ、多分鬼橋アナウンサーからインタビューされて、「お酒みたいな名前ですね、縁起がいいじゃないですか」とか言われてたのも、ついこの間のことのようだ。それ以来、お酒みたいな名前の選手としか頭に残っていなかったのに、こんなに偉くなるとはね。本当に、人はどうなるかわからないものだ。

毎日新聞の今朝の朝刊が、首相のせりふをそのまま見出しにしたような、ふぬけた一面記事を書いてるので、NHKなみの御用マスコミに成り下がったのかてめえはと毒づいていたが、玉木研二編集員が「火論」のコラムで、映画「東京裁判」を取り上げて、とてもいい記事を書いていたので、少し気分を直した。特に荻昌弘さんの名前が出ていたのはなつかしかった。昔私は「週刊朝日」の「試写室」というページで、荻さんの映画紹介を読んで育った。今も田舎の物置にある、たくさんの古い週刊朝日を捨てられないのは、それをもう一度読みたいからでもある。

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カツジ猫